2016-10-10

バックレ手当

散々話題になってる電通での東大卒女子社員自殺についての話を聞くたびに若いころは名うてのバックラーだった人間として、バックレこそは労働者の命と名誉を守る誇り高い行為であるという確信を深めるに至った。彼女がバックレという選択肢を知っていれば、いや、彼女だけではなく普く労働者理不尽な扱いに対する選択肢としてのバックレを知っていれば、世のブラック企業は淘汰されるハズだ。労働者を粗末に扱えば相応のしっぺ返しを受けるということを企業に対して知らしめなければならないのだ。お行儀よく円満退社するのではだめなのだ。残された社員が困る? 文句ならそんなことを誘発する会社に言ってくれ。バックレは癖になる? バックレは癖に流されてするものではなく、断固たる決断の所産だ。

そこで、俺は提案したいのだが、政府は一度目に限ってバックレに対して前職の給与と同じ程度の手当てを支給してはどうだろうか。これによって労働者の「会社を辞める」ということへの心理的抵抗感と罪悪感を軽減し、転職活動時間がないほどに酷使されていても安心して逃げることができるという一石二鳥効果が見込める。ブラック企業は淘汰され、企業労働者の顔色を窺わざるを得なくなり、労働者待遇改善される。

かつての貴族たちは王や皇帝理不尽に対してたびたび反乱を起こし、抵抗してきた。王や皇帝がこんな傲慢不羈な貴族たちの顔色を窺いつつ、ちょっとずつ集権化を成し遂げていったのが中世から近代にいたるまでの歴史だ。この傲慢なまでの誇り、自尊心、自信、自己肯定感、果断さ、勇気現代の我々に欠けているこれらの貴族美徳を取り戻させるのがささやかな反乱、すなわちバックレなのだ

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