電通の新卒の女の子が自殺して労災を勝ち取った話があったけど、
この記事に関連して、「100時間なんて甘い」「もっと劣悪な環境はまだある」「残業代が出るだけまだまし」
こんな意見がちらほら。まぁ、業界の人間なら、確かにそう思うだろう。
立場的にはこの彼女に指示される立場=作業が膨大にある部門だったから、
この彼女が言ってる状況っていうのは、まぁわかる。
電通だったらADDC(CCIかな)のスタッフが下につくだろうし、
デジタルの広告だからといって、そこまでやるかなぁなんてことも思った。
1年目だから、そんなCCIからの出向スタッフからの作業だったのかもしれないけど。
話はズレた。
残業代、ハードな体験自慢をするのはわかるし、彼らの立場に立ってみれば、甘いというのもわかる。
僕だって、3日、4日繋がって死にそうになったこともあるし、
毎日毎日パワハラ上司に詰められたり、果ては無視され続けたことだってあるし。
それに比べりゃなんだよ、なんて思わなかったといえばそれは嘘。
彼女は新卒1年目。代理店では人権すら与えられない年次(最低でも3年目ぐらいまで多分そんな感じが続く。)
で、きっと察するにデジタルがかなり強めのクライアント。そうなると、当然要求は高い。
いきなりそんなところに放り投げられたら、心が折れないわけはない。
それが続きに続いて、一杯一杯の状態が続けば、死にたくなる気持ちは絶対に生まれる。
こないだバース・デイのデーブ大久保の回を見ていたら、監督になった時
「試合前は誰にも会いたくないから、監督室の鍵を閉めて毛布をかぶってジッと横になっていた。
早く1日終わらないかな、早く1日終わらないかな。って。果ては明日死んでてくれねえかな、俺」なんて言ってた。
これも、経験したことがない立場に放り込まれたからこそ生まれた感情なので、
自殺した彼女も、多分こんな感じで(きっと寝る暇なんてなかったんだろうけど)日々過ごしていたんだろうと思う。
辛い立場を乗り越えて、この彼女を甘いというのは、乗り越えられた人間だからこそ言えることではある。
でも、別にそれは誇ることでもない。そんな経験しなくても良い場所なんてたくさんあるし、
その経験だけを自分の依代にするのは、ちょっと違うんじゃないかな、って思ったりもする。