詳しくはぐぐってほしいのだが、そういうのが開発された。限られた空間をVR化することで、どこまでも続く空間を作る(仮想空間)というものだ。
このニュースはなかなか反響が大きい様子なのだが、聞いたときにまず思い出したのが「森博嗣」の名前だった。
アニメ「すべてがFになる」で出てきたのを見た人が居るかもしれないが、機械の中に入ると自分が想像した世界が広がっているという描写がある。
あれは原作「有限と微小のパン」からの引用シーンだと認識している。原作「すべF」時点ではもうちょっと描写が古いものになっている(ただし20年前の作品だが、一般人的には2・3年前のVRの印象と変わらない)。有限と微小のパンでは「VRゴーグル」が出てくる。それっぽいもの、ではなく、まさしく今使われているそれだ。なのでSF感があるのだが、今思うとあれは「必ず未来に作成されるもの」を書いていたのだと分かる。「あんなこといいなできたらいいな」という願望ではなく、「近いうちに認知されるくらいになる」と確信をもって書かれているのだ。
そして「有限と微小のパン」では、犀川先生はゴーグルをかけたままどこかへ消えてしまうのだ。限られた空間なのに、どこにもいない。どこまでも続いていくような場所に犀川先生は迷い込む。これが、「無限回廊」とそっくりなのだ。
気になって検索してみたところ、無限回廊を作った本人である研究者の簗瀬洋平さんがツイッターで書いていたのだが、この技術は2001年に論文として発表されている。有限微小の「実空間とVR空間をずらすことで限定空間内を無限に歩かせる」アイディアは1997年に論文で出されたようだ。
98年に森氏が「有限と微小のパン」を発売したわけだが、執筆時期を考えても論文を読んでいないうちに書き上げたことは想像できる。(確か1年前には出来上がっていたくらいの執筆スケジュールを組んでいたはずだ。作品メインの部分なので、後付けもできないだろう)。簗瀬さんは「森先生の先見性が伺えます。」と書いているので、そういうことなのだろう。
どちらが先かどうかというのは問題ではない。
正直あんまりよくわかっていないけど、これは読者としては興奮する話だ。
最先端の技術を研究していた人たちと同じことを当時、なんの研究もせず犀川先生と西之園さん萌え~としていた人たちが近い景色を見ていたということになる。
ようわからんけど元ネタはクラインの壷ちゃうの?
よく読んでないけど「無限回路」じゃなくて「無限回廊」じゃない?
ありがとう。すぐに直した