2016-03-05

偏差値についての2つの考察。あるいは偏差値がどれほどあてにならな

かつて中央の大型私学にいて、現在地方国立にいる大学関係者です。偏差値議論がどこぞで上がっていますが。何処にとも書かずに心のなかにあった2つのお話を。

偏差値合格最低ライン

特に地方大学にいると、それなりにかなり優秀な学生がいる。それこそ2つくらい上のランクを狙えるような。で、なぜ現在大学にかよっているかを問いただしたところ、親が一人暮らしを許さなかったからという理由が多い。第一志望に落ちたからという理由はあまり聞かない。親が一人暮らしを許さないってのは、少し前までは女子学生に多かったのですが、最近は親にカネがないからか、男女問わず聞くセリフです。

偏差値はその学校合格する最低ラインです。状況によっては偏差値以上の学生ゴロゴロいる大学存在します、ってことは受験生らに伝えたい。

偏差値操作できます

多くの予備校公表する偏差値は、一般入試合格者数です。とくに大型私学を発端として、現在では国立を含む、多くの大学で、推薦、AOなどの複数回入試がとり行われています

推薦、AO入学生の学力はその大学偏差値には反映されません。結果どうなるかというと、推薦、あるいはそれに類似した名前一般入試もどきを乱発させることで、一般入試の枠を狭くすることにより、一般入試の倍率を高めて一般入試合格者の学力を高める、ひいては偏差値を高めることができます関西のR大学が率先して行ったこの方法は、いまや全国区になっております

ちなみに推薦、AOで予め合格者を囲うのは、文科省の締め付けによるところも大きいです。文科省は定員より入学者が1.2倍(この数値は今後変更)を超えたら予算を減らしにかかります。なので、推薦、AOで予め入学者数を確定したいという意図大学にもあります

私学の場合は国公立の結果次第でかなりの数が逃げられます。そのことを考えると、一般入試合格者数はかなり年度による振れ幅が大きいので、そんな面倒なリスクを取って文科に睨まれるのはヤダという発想です。

で、ぶっちゃけ推薦、AOで入ってきた学生ってのは大学に入ってからがアレなので、内部者としてはできれば減らしたいのです。ただ上の理由があるから一筋縄はいかない模様。

総括

で、まぁ何を言いたいかというと、偏差値にはかなりの誤差があり、また実際の学生の幅は大学により大きく異なるということです。あまり教条的に見ないほうがよろしいかもしれません。

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