首相A「ビッグバンから137億年。地球の誕生から46億年。(議員 眉顰める)われら人間は、宇宙の住人として、地球の住人として、長い年月を経て今に至ります。宇宙人であり、地球人でもある。正に奇跡的存在であるこの命を守るには、我々の周りに広がる美しい自然を守りぬかなければなりません。(委員会室静寂)太陽の燦々たる光、月の厳粛なるクレーター、地球の青い海、そして身近に生えているりんごの木も、美しい自然の一つに違いありません。すなわち一個の赤い実も、宇宙の大切な財産である。(速記者 手止まる)宇宙の大切な財産を未来へ引き継ぐのは人類に課された義務であり、(農林水産大臣 挙手).....」
首相B「えー(野党席 ヤジ)、委員のお尋ねでありますが、実に的を射た問いなのでありまして、これに関しましては、非常に多様な見方があるので、後ほど農水大臣からも答弁があると思いますが(野党席 激しいヤジ)、えーあくまで私個人の考えを申しますならば、りんごというのは赤色が一般的ではありますけれども、実は王林といって、黄緑色の品種もあるのでございまして、これは実に香りが良くて、甘みも素晴らしいのでありまして(委員長「静粛に」)、つきましては、私は赤いりんごよりも黄緑のりんごを愛するのでありますが(理事 席立つ 委員会室大荒れ 委員長「速記止めて」)、あくまでこれは私個人の見解であって、他にも多様な見方があると存じますが、えーいずれにいたしましても、(与党席からもヤジ).....」
首相C「すみません、知りません、教えてください。(野党席 ヤジ)あのー、すみません、一概には言えないかもしれませんが、一般論で申し上げますと、赤いりんごも最初は緑色でございまして、成熟するとともにだんだん赤くなってくるのであります。これには日光が関係していると思われます。太陽の光を浴びるにしたがって、「アントシアニン」という赤い色素が増加するのではないでしょうか。(野党席 ヤジ)いや、すみません、やっぱり詳しくは知りません。(野党席 ヤジ)すみません、教えてください。(野党席 ヤジ)」
首相D「りんごはなぜ赤いか。そんなこと急に聞かれても分かるわけないじゃないですかw(与党席 爆笑 野党席 ヤジ)じゃあ私がバナナはなぜ黄色いかと聞いたらあなたはすぐ答えられるんですか?答えられるわけないじゃないですか。大体ですね、この貴重な委員会の時間が、りんごの色の話に使われるというのは、これは私は非常に残念なことだと思いますよ。そんなことを聞いて一体何になるのですか?わが国にはもっと大事な問題がいっぱいあるではありませんか。同時にですね、いま委員は色のことを仰ったけれども、御党が政権を担っている時にりんごの数は一つも増えなかった。(与党席 失笑)しかし我々の政権になってからは3つも4つも増えた。大事なのは色ではなくて数なんですよ。(与党席 拍手 野党席 ヤジ)我々はこれからも、りんごの数をさらに増やしていくために努力をする決意であります。(与党席 大拍手 野党席 ヤジ)」