非正規雇用=忌むべきもの、最悪であるっていう報道ってマスコミ(あるいは政府の)国民分断作戦だと思うんだよね。
忌むべきなのは貧困であって非正規雇用じゃないでしょ? 賃金とか雇用安定とか社会保障の劣化が問題であって、非正規雇用そのものは悪いわけじゃない。だいたい非正規雇用=派遣じゃないでしょ。事実俺も期間限定雇用だけど年俸800くらいはもらってる。
非正規雇用こそが諸悪の根源だっていう宗教的なたたきが、逆に「正社員だけどブラック」なんてものを産んでると思うんだよね。一回正社員にしたものにたいして、非正規になっちゃうぞ、転落しちゃうぞっていう脅しをかけることによって会社に縛り付けるわけでしょ。それで出張させたり転属させたりサービス残業させて、忠誠心の踏絵をさせるとか、不毛だよ。組合がしっかりしているような大企業ならそういうのに対して自浄作用が働くのかもしれないけれど、日本の企業の7割以上は社員10名以下なわけで、そうもいかないのは火を見るより明らかだ。「自分のジョブスキルにあった次の職場が見つかること」ってのがブラック撲滅においては一番重要なのに、企業叩きをして留飲を下げてるようじゃ、いつまでたっても全体の構図は変わらないよ。
それとも、非正規たたきが終わったら大メーカー社員と公務員以外は幸せになれない下層民だとかいうキャンペーンを始める気なのかな? なんか叩く対象をでっちあげられて内ゲバをさせながら、本来進めるべき構造改革(貧困問題の解決や、賃金上昇、同一労働同一賃金の原則、雇用流動性に対するセーフティネット)を棚上げするっていうループにはまってる気がするよ。