おそらくは、大恋愛に括られ、素敵なエピソード満載の恋愛期間を経て、結婚した。
わたしたち。
彼が本当に本当にすきだった。でも、結婚はしたいわけではなかった。私の家はきびしい。わたしは、良い子だった。私は、反抗できなかった。
結果的に、ソーシャルステータスとして、玉の輿的に、ひとの目に映ったのかもしれない。
私のスペックは高くはない。おそらく、低くもない。
だけれども、当時、バリキャリを目指す女子のなかでは、高くはなかった。
結婚するのも、友人のなかで一番だった。当時27歳。今から10年以上も前。
「案外、小さくまとまったねー。」と言われた。
一番最初に報告した友人には、そう言われた。彼女は、その絶句のあと、ついに一言も「おめでとう。」とは言ってくれなんだった。
彼女に恋人がいなくたって、関係ないと思っていた。私は、学生時代からの8年の恋愛、遠距離恋愛を経て、彼と結婚することになった。
だから、どう聞いても、適齢期だし、私、むのーだし結婚するよねって、フツーな感覚じゃないかなああ。
ただ、当時の彼がすこぶる優秀だった。残念ながら、スペックが私とつりあわないくらい。
式は挙げなかった。 だけど、入籍した日は、とてもスペシャルな日で、いやらしいけれど、教養のある人には、素敵な日ですねといわれる日だった。
スノッブだけれど、でも、私も若かったので、ステキとか思ってしまった。でも、いまでも、あの選択はふたりの思い出においてステキな日取りだった。
学生時代は、ずっと、こんなイケテナイ彼と付き合うなんてみたいな、憐れみ光線、受けまくりましたが、でも、平気だった。
彼は、私にいろいろなものを与えてくれた。いっぱい本の話をした。ラテン語を学ぶなんて、ステキとか、ミーハーに好きだった部分もある。あほや。
思い出は数え切れないほどある。レモンを置きし本屋は、お気に入りだったね。あほや。
あなたがほんとうに好きでした。18年好きだったの。いまも、全然嫌いじゃないの。
どうして、離婚しちゃったのか、よくわからない。あっさりゆるしてくれてありがとう。
「自分の人生を生きたいの。」まさか、家を出る日にそんな言葉が口をついて出るなんて思わなかった。
私は、いま、ひとりです。もうすぐ四十路なのに、国家試験の勉強をしています。つまんないオジョーサマだったけれど、ちょっとだけ、自分の力でがんばりたいの。
すきだったの。ほんとうにあなたが好きだったの。
こんなにいろいろこじらせて、おばかちゃん、アホって思うの。
でもね、ほんの少しだけ、自由だっておもうの。
誰もに反対されたけれど、わたし、生まれて始めて自分の意思で生きてるの。
どうして、こんなばかなのかわからない。
どうして、こんなばかなのかわからない。 どうしてタイトルが「すっとこどっこい恋愛中」なのか、オレには分からない。