2014-03-24

ニートの弟とサッカー観戦にいった話

偶然が重なって、サッカーの観戦チケットを2枚譲ってもらえることになった。友人も彼女仕事でいけないとのこと。しょうがないから、年五回くらいしかさない弟を誘ったが断られた。このクソニートが。父と母にも断られた。祖母はそもそも足が悪いので誘えない。一人でスポーツ観戦するのだけは避けたい。日ごろの交友関係の狭さを呪っている暇で相手を探さなくてはいけない。職場上司に頂いたもので、本人は凄くいきたがってたチケットだけに、無駄にするのも忍びない。でも観衆の中、興味のないスポーツを一人で観るのは嫌だ。結局クソニートの弟に「うるせぇ、いこうっ!!ドン!!!・・・ではなく行く相手がいないから一緒に来て下さいお願いしますとなきついて一緒に行った。

キックオフギリギリに会場に到着。全体としての観客の入りは半分ほど。電光掲示板下のホームサポーター側は満杯。赤いユニフォームで席が埋め尽くされている。三つあるホームチーム応援席の、掲示板真下の観客は皆立っていて、応援ソングにあわせて体を上下させている。会場入り口近くで250円で買ったコーラ片手に、弟と二人、ゴール裏ホームチーム応援席の手すりの前で立ち見での観戦をはじめる。

試合開始から、十分ほどでホームチームに一点入る。しかし直ぐにアウェー側にも一点入り同点。サッカーはよくわからないが、最初から接触が多い試合のように素人目にも見えた。前半が終わる間近、アウェー側のゴール近くで選手同士の接触があった。ホームチーム選手が倒れる。ちょうどコールも鳴り止み、応援席のざわめきが耳につく。そして野次が飛ぶ。曰く「卑怯者!!」「クズだ!!」etc・・・聞くに耐えない罵倒の野次を飛ばしているのは、声の質からして男性で確実に大人、人数は多くなく一人かあるいは二人。その彼らが更に何かいおうとした時、コールが始まり応援の波にかき消される。そこで前半が終了。

印象的だったのは、大声で立って応援しているのは掲示板の真ん中の席だけで、左右の観客はユニフォームこそ上から羽織っているものの、基本黙って、静かに選手を見守っていた。弟もそんな観客の一人で、ユニクロのダウンジャケットを着込んで黙って試合の流れを観ていた。後半線が始まった。

ふと見た掲示板に、どこかで聞いた選手名前を目にしたので弟に尋ねた。

「あれって日本代表の?」

「そうだよ、あの選手も・・・確かけっこう前の日本代表

「へー・・・サッカーって延長戦あったけ」

リーグ戦ならあるけど、普通はないね

「ああ、サッカーは勝点方式だっけ」

「そうそう、勝つと三点入る、得失点でも差がつくけど」

「ふーん・・・今やってるのは何なの?何とか杯とかサッカーっていっぱいあるじゃん

「今のはJリーグだと思うよ(笑)確か今こっちのチームは○位で相手は○位」

会話が止まりグラウンド視線を戻す。陽が傾きかける。気温が下がり、風が吹き始めた後半戦の終盤、ホームチームが追加点を入れる。2対1。沸く観衆。電光掲示板でゴールシーンが再度流される。そのままホームチームが押し切って試合終了。会場を去る間際、弟がぽつりともらす。

「勝って良かったね」

試合はなんか球がいったりきたりして面白かった。行き同様、俺の運転で帰った。

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