ゆるキャラをみうらじゅん氏が取り扱い始めたころのことを思い出してもらいたい。
みうらじゅ氏は、「いやげもの」という価値基準をもうけて、もらっても困るたぐいのおみやげを集めていた。
文句をいうわけでもなく、「なんだかいいね」という評価を下すために集めていた。なかなか凡人にはできないことだ。
普通ならば、価値がないといって取り付く島もないところだが、「なんだかいいね」といって集めていた。
そんな当時のゆるキャラは、残念ながらマーケティング的には、効果を発揮していなく、仕事はしているけど、お金を生む状態ではなかった。
多分、マーケティングの訓練を受けていない人が急に白羽の矢を立てられて、やっていたのだと思う。
ちぐはぐで突拍子もなくて、誰も得しない感じ。うっかりすると業者に乗せられてお金だけを取られてしまう。
そんな感じのところもあった。
このシロウト同然のマーケティングのお仕事を手伝うとお金になることに気がついた人がいた。天才だと思う。
村おこし、町おこし、県おこしで、公的な機関からそれなりの金額のお金が出る。
お金を支出するほうも効果がない使い方では、たたかれるので、それなりのプランを提示してきたところにまかせたい。
シロウトは、思いつき、鶴の一声、お金をかけずにできること、これまでやっていたことのようにマーケティングのプランとしては戦略性が希薄なことをしてしまう。
それに比べるとある程度マーケティングの訓練を受けた人や会社の仕事は、一貫した戦略があるためにそれなりに効果を発揮する。
でも、お金がないとできない。
お金がないと、人に依存する構図になり、当たるときは一気に当たるが、こけるときは人もろとも崩壊する。
あやうい運営になってしまうこともある。
グレーゾーンを白として攻めていく力がある。
地域のお祭りにぜんぜん関係のないコンテンツをぶち込んだりする。関係性はないけど人は集まる。
さらに口コミをお金で作ったり、ブクマをお金で買ったり、日雇いで行列を作ったりのようなグレーゾーンのお仕事に抵抗感が低い。
それを仕事にする会社もあるのだろう。多重下請け構造を作って、ばれたら尻尾を切る用意も忘れない。
ゆるキャラにおいてもプロが介在すると、グレーゾーンを攻めてくる。
役所で朝一の仕事がコンテストへの投票になったり、出入りの業者にも協力をお願いする。
道義的にはハテナがつくが、投票のルールが守られているので、インチキではない。
このグレーゾーンを攻める強さがプロであり、シロウトとは価値観がことなる点だ。
プロの仕事としては、バイラルマーケティングはありのスタンスだろう。集客目標を達成する必要もある。新聞・テレビに取り上げられように花火を上げ続ける必要もあるのだろう。
それって単に広告屋に食い物にされてるだけな気がする