2021-05-29

テニスラケット破壊する彼女/彼/彼らを見てvol.3

 疑問に答えろという要望があったので書くことにする。

【Q-01】

 「『彼』や『選手』ではなく『彼女』と書くところに、意図が透けて見える」「他にも同じことをしている競技者はいるのに、なぜ彼女だけを攻撃するのか」「同じことをしている他の競技者をどう思うのか、批判しないのか」etc.

【A-01】

 元の文章を私が書く切っ掛けになったのが「彼女」の映像だったから「彼女」と書いたというだけの話である。私が見た映像が「彼」の映像だったならば、私は「彼」と書いたことだろう。その場合、私は「何故わざわざ『彼』と書くのか?意図が透けて見える」と言われただろうか?もちろん、これは反語である。「意図が透けている」のは一体どちらであろうか?

 「なぜ彼女ばかり攻撃するのか」「わざわざ『彼女』と書くところに意図が透けて見える」という類いのコメントを寄せた人は、極めて愚かである。どれぐらい愚かであるかと言えば、例えるならば、戦前戦時中日本が行った蛮行批判する意見に対して「他の国々も野蛮なことをしているのに、なぜ『日本』ばかりクローズアップして批判するのか?意図が透けて見える」と言う類いの人間と同じくらい愚かである

 ところで「同じことをしている他の競技者をどう思っているのか?」についてだが、もちろん平等に「彼女と同じく卑しい」と思っているので安心してもらいたい。テニス以外の競技についても同様である

 しかし、どうしても「彼女」と書かれることに腹が立つと言うのであれば「彼女/彼/彼ら」と書くことにしよう。彼女/彼/彼らは卑しい、と。ご満足いただけただろうか?

【Q-02】

 たかテニスラケットを壊したぐらいで、目くじらを立てて批判しなくても良いのではないか

【A-02】

 vol.2で書いたことと重複するが、常日頃から人種差別に抗議する声明を出すなど「社会を良くするために積極的に声を上げてコミットする」とアピールしている人間が、公共の場で癇癪を起こして、物に当たり散らして破壊すること、しかも、それに対して少なくない人間が「彼女行為は『正しいアンガーマネジメントである」と見なす意見を発信することは、社会に対して重大かつ誤ったメッセージを与えるものと私は危惧する。どれぐらい誤ったメッセージかと言えば、一時期のお笑い芸人たちが、飲食店コンビニ従業員に対するクレーマー行為を、面白エピソードとしてテレビラジオで盛んに語っていたことと同じぐらいに、誤ったメッセージである

 実際、今の世の中、パワハラ防止云々アンガーマネジメント云々と盛んに言われるようになったにも関わらず、これを書いている人間は、職場で「大声で怒鳴りつけられる、机をバーン!と叩かれる、椅子をガーン!と蹴られる」といった行為を受け続けて精神病み職場から聞き取り調査を受けているところである。そういう立場からすれば、著名人が癇癪を起こして物を破壊する行為が正しい行為として世間認知されるのは、到底容認できるものではない。

 もしもテニスラケットが、祖父なり父母なりが作ったものであったならば、叩きつけて壊したであろうか?勿論これは反語である広告塔としてのアスリートに対しては、メーカーも強い態度に出られないであろうという力関係を見透かした上で、破壊する対象を選んでいるのである。だからこそ、私は「ラケットを作った労働者を『自分と同じ人間』と思っていないのではないか?」と書いたのである

 癇癪を起こして物を破壊する人間は、パワハラDV加害者の予備軍であると私は考えている。シリアルキラーが、最初動物虐待から始めるのと同じように。

 パワハラDVを行う人間は「自分はそれをしても許される『特別人間である」という特権意識の持ち主であり、攻撃破壊対象も「反撃をしなさそうな相手」を選ぶ。物は反撃しないから、彼女/彼/彼らの「最初攻撃対象」となって破壊される。物で満足できなければ、次に彼女/彼/彼らは「反撃をしなさそうな人間」を攻撃対象にするだろう。実際にパワハラDV被害を受けた経験が有る人ならば、私が言うことも分かるはずである彼女/彼/彼らは、攻撃対象に選んだ私たちを「自分と同じ人間」とは思っていない。

 貴方の傍に、もしも「癇癪を起こして物を破壊する人間」がいるならば、できる限り迅速に遠くに離れることを、私は強く推奨する。(続く)

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