性被害にあって泣き寝入りする女性が後を絶たないので、男性にも「自分が襲われる側」「自分の方が圧倒的に弱い立場」を味わってもらおう。
「性犯罪はいけません、これは性犯罪に該当するんです!」じゃなくて、「性犯罪に遭うとこういう気分になるんだ。世間からの二次被害ってこんなにつらいんだ」ってことを教えないとダメなんじゃないかって思ったんだ。
そのために、喋れる雄ゴリラロボット(何故か男性にしか発情しない)を街に徘徊させよう。身長2mぐらいの。
『電車のホームで並んでる時に、鼻息が頭にかかる距離で、後ろにフンフンしてるゴリラがいる気味悪さ。
早歩きして避けようとするけど、ずっと付いてくる。下手に露骨に逃げて刺激すると激昂させてしまうかもしれないとか、色んな不安が頭をグルグルしてる内に追いつかれて茂みの中に引き込まれる。
もの凄い力で腕掴まれて「騒いだり叫んだりしたら殴る」ってゴリラに言われる怖さ。怪我どころの騒ぎじゃない。
「顔覚えたから。警察に言ったら探し出して殺す」って言われる怖さ。ゴリラだから何しでかすかわからない。
警察に行ったら最初は人間の警察官が来て「痛かったでしょう」とか言ってくれて嬉しかったけど、後から来た何故か警察内部にまで入り込んでるゴリラ刑事が来て「何で本気で逃げなかったの?ゴリラ、本当に嫌だったの?キミ、結構筋肉質だし、ゴリラを誘ってたんじゃないの?同じ霊長類なんだし、言語通じるんだから。本気で嫌がってなかった証拠じゃないの?」って言われる。
筋肉質なのは体質のせいで筋肉つきやすかっただけで、ゴリラを誘ってやろうなんて一度も想ってない。ハーパンで歩いてたのも、ただ単に暑かっただけなのに。
「ゴリラに足見せたら発情させるって知ってるでしょ?」って言われても、ゴリラの発情ポイントなんて知るかよってなるし、まさか20代前半で若いってだけで、あだ名が「出川」の自分がゴリラに狙われるとは思わない。
下手に周りに言うと「ゴリラに掘られた男」として、様々な噂を好き勝手にされる。下手すれば「変な病気うつされてそうだから」という理由で、彼女にフラれたり、最悪噂が結婚までまとわりついてくるかもしれない。
彼女とセックスしようとしても、ゴリラに襲われた時のことを思い出して、上手く勃たなかったり、そもそももう誰かの前で裸になること自体怖くなることもある。
実際病気うつされてるかもしれないから病院でお尻を検査してもらう。まだ掘られた時の傷が治ってないし、あの時と同じ体勢をとること自体、心が苦しい。そして医者に「正確な検査結果は2週間後ですね」と言われ、少なくとも2週間は怯えて生きなきゃいけなくなり絶望する。
そんな病院の行き帰り、なんなら病院の中にも警察の中にもゴリラはいる。多少顔立ちが違ったり体格が違ったりするかもしれないけどゴリラはゴリラだ。むしろ自分を襲って来たゴリラは、ゴリラの中では特別体格が良い方じゃないのかもしれないと気づく。強い方のゴリラじゃなくても逆らえなかった。
もうゴリラ全員が怖い』
傷つく人が増えて欲しいってわけじゃないけど、当事者の気持ちになってもらうのが一番早いんじゃないかって思って、女性の性被害者を男性に、男性の性加害者をゴリラに置き換えてみた。
くだらん妄想に付き合わせて悪かったが、ちょっと想像してみて、「いや確かに怖いわ…」って思ってくれたら、どうかあなただけはお酒が入ろうとストレスが溜まっていようと性犯罪に走らないでほしい。
「俺はそんなことする男じゃない」って思ってても、どうかスポーツとか音楽とかの健全なストレス発散方法を確保しておいてくれ。
訓練中の ロボットが 段ボール箱を 棚に乗せる作業を しているときに 人が 棒で ロボットが 手に 持っている荷物を 突き落とし ロボットの 体を 突き倒したり ...