2015-09-10

IT業界ミリタリー

ミリタリー映画を何本か見て。

 高度な訓練を受けた優秀な兵が、特殊部隊員とか空挺とか、まず最初に一番危険最前線任務に突っ込まれる。強襲偵察とかもそうだし、救難部隊自分を守り生きるためだけでなく、他人を助けるだけのほんのわずかな余裕を訓練によって培って来たから、まず最初危険現場に突っ込まれる。

 福島第一原子力発電所でも、まずベテランが作業をし続けた結果、早い段階で被爆限度量に達してしまい、現場を退くという話を聞いた。

IT業界も、まず危険任務に優秀な人員が突っ込まれる。短納期、高技術、低予算プロジェクトに優秀な人材が突っ込まれる。他にも混乱したプロジェクトにもレスキューとして突っ込まれるのも訓練したベテランである。そして最初につぶれていくのは、優秀な人たちだったりする。そういう優秀な人は、結局使い捨てであり、弊社だけかもしれないが、あらゆる突っ込み攻撃対象にさせられるのも、優秀な人たちである

 まぁ、割に合わない気もしますけどね。優秀が故に、より高いリスクを背負うってのは。

 自衛隊のご飯は美味しいとよく聞くが、そりゃMREばかりはどうかと思うが、駐屯地基地食堂、艦内食とか美味しかった。それに引き換え弊社では競争相手の無い一企業独占状態の社員食堂全然美味しくないし量も少ない。かといって安いかと思いきやそうでもない。文句があるなら外に食べに行けばと言われるが、事実上、外に食べに行くのは不可能な状態。一番近い飲食店しか牛丼屋)まで片道歩いて20分(コンビニもっと遠い)。そして昼休みは45分しかない。何の楽しみも無い。

 お偉方の得意な言葉OJTがあるが、単に教育訓練費をけちっているだけで、前線現場には大変な負担である。考えてもみよ。入隊したての新兵を何の訓練も無しに前線送り。生き残ればラッキーなんて軍隊存在するとでも?前線ベテランカバーするので大変な負担になる。優秀な兵隊最初からいるわけではなく、国や軍隊が造り出すものであるよ。志願なら最初試験類はあるだろうが、日々訓練である戦時で無ければ)。IT業界では逆だ。通常が戦時であり、極稀に教育訓練がある。

 ルーキーOJTだけでも大変だというのに、IT業界ではフレンドリファイアは日常茶飯事。むしろフレンドリファイアは同じ人員が繰り返し起こす。自軍最前線が進もうとする先に、せっせと地雷原を築く、クラスター爆弾を投下する。これが無いだけでも6割以上は効率が上がるはずなのに。

 そして指揮官がイカン。なにしろほとんどの指揮官は「炎上したプロジェクトを(人海戦術で)担当する事でやり甲斐を得る」事を明言している人が多い。弊社の部長課長連中はそんな感じ。現場兵隊にはえらい迷惑な話である。まして戦力の逐次投入は被害を増すばかりである指揮官であれば、プロジェクト内のくそったれな人員を基準にそれでもプロジェクトを進められるよう、環境を整えたり根回しをするものなのに、プロジェクト内最優秀を基準(であればまだマシだが、ほとんどの場合夢想エスパー基準)にして作戦遂行する事になる。

 顧客や自社上層部への工程進捗報告はもちろん、大本営発表である

 現場に渡される兵器もよく分からない。フルHDの画面の物を作らなければならないのに、支給されたPCはVRAMが8MB、モニタSXGAだったとか、HDDが40GBであるとか、開発環境がExpressEditionであるとか、中古品光学ドライブが動作しないとか。B-29に竹槍で闘いを挑めとでもいうのだろうか。コストカットの影響がこういう風に現れるから困る。

 確かに、こちらもプロである以上、弘法筆を選ばずの如く、道具を選ばず任務遂行する努力はするが、職人さんの使っている道具をみてみろ。職人が納得のいく道具を使っているだろう。相手がR-77装備のSu-35やMig-29だというのに、手持ちの戦力がサイドワインダー装備のF-4やF-1とかで対抗しなければならないとか。しかもっと悪い事にAWACSがいない。自機搭載のレーダーと肉眼だけが頼り。プロジェクト開始時点から絶望的な状況なのはよくある。指揮官の立てる作戦は「状況に柔軟に対応しつつ、臨機応変に」という玉虫色の指示しかこない。こんな命令が上から下りてきた軍隊はどう動くか見てみたい。

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