2013-12-17

猫が死んだ

ずっと、早く死ねよと思っていた猫が、めでたく死んだ。およそ一月前の事になる。

一年ばかり吐いてばかりいた。書類、絨毯、洗濯物など何でも汚染されるため、当然そのような部屋には出入り禁止だ。

気がつけばガリガリに痩せていた。まぁ高齢猫が毎日ゲロってれば当然だろう・・・

から死ぬだろうと思っていたが、割りと突然だった。

それなりに過ごしていたのが突如ヨロけ出した。トイレに行こうとして、トイレが見えらお漏らしするようになった。

水を飲んでは吐いて漏らす。何も食べない。それ以外はずっと寝ていて、時々鳴き声を上げた。

その都度「もういいだろう、早く死になさい。もう十分に生きただろう」と声をかけた。

調子を崩してから一週間で死んだ。

ささっと死んで良かった。長く苦しんだところでお互い救われないだけなのだから

猫の死体もまた寝ているだけに見えて、いつも通りだなと思った。

生まれてすぐ捨てられて死ぬ予定だったのだから17年も余分に生きたことになる。

半生を共に過ごす程の長さなのだから驚きだ。

以上、とりとめもなく書いた。

せいぜい私の記憶にその姿が遺されただけで、猫の生死に意味などないだろう。

ただ、時折心が微かにさざ波だつだけである

追記

元を辿れば、この2つのホッテントリだ。

初めてちゃんと振られた二十代前半って陳腐だ。

http://anond.hatelabo.jp/20121202022442

喪失感について何か書こうかと思った。

痛みを知るということ、感情の激発と時間の経過が大事だということ、宗教というもの存在理由、それが年を取るということだってこと・・・

結局は冗長で陳腐言葉しかかばず、まとめ切れなくて何も書かなかった。

それとともに

老いたペットとどう向き合うか

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/k10013833111000.html

エントリだ。

認知症だと体は健康なので、問題は相当長続きするだろう。犬のように鳴き声が問題となる動物だと悲惨だ。

夜中に起こされたら、日中、運転手のような職種だと文字通り致命的な事も有り得るだろう。周囲の目もある。

それに比べたら、明らかな異常を来してわずか一週間で逝った猫を思うと、本当に静かで、平和に逝ったものだと思った。


猫が死んから、そのことはツイート一つせずに来た。

この2つのエントリが合わさって、さざ波が立ち、これを書くに至った。

ここで吐き出して、見返しもせずに終わって良かったのだが、何だかんだで未練なのだろう。

このエントリへのブコメ等を見て、書きたいことが増えていくのだ。

もちろん何の意味も何の価値もない、とりとめもない事だけだ。

それをもう少しだけ、書き増やしてみる。

猫が生きていたとき

ネズミが捨てられている、と思った。私の知っている猫ではなかったが、よく見るとどうやら猫らしかった。

暖かい季節とはいえ、このまま死ぬしかないだろう・・・私には飼えないことも、最後まで面倒を見きれないこともわきまえていた。

現在法律はそれに呼応するかのように厳格化している(上記NHKニュース参照)。

そのブコメに書こうかとも思ったが、法律もまた、見殺しにするか保健所へ連絡して殺すのが正しい身の処し方だ、と言っているように思えた。

が、彼女はわきまえていなかった。私は彼女に対して、後先考えぬ思慮の浅さと、命を前に何も顧みない優しさを思った。

兄弟里親に出し、一匹が私の手のひらの中で死に、残ったのが掲題の猫だ。

それから10年弱して彼女結婚するのだが、家を探すのに猫は足枷だった。

同じ条件で、家賃が一万円違う。が、10年もいれば猫も家族の一員だ・・・已むを得ない。

ここまでがよくある猫のいる家の話である


しかし、疎ましくなる。

子どもが生まれてからだ。

猫に噛み癖があり、感染症の原因となる可能性もある。

当然、猫は敵のように看做された。寝室などは厳重に出入り禁止となった。

はいえ、子どもに分別がついてくると落ち着き、この子物心がつくまでこの猫は生きているかな、という話になっていった。

猫というのは元々よく吐く生き物なのだが、その頃には徐々に回数が増えてきていた。

平均寿命も過ぎ、運動量も明らかに減っていた。夏でも膝に乗るようになった。

吐くこと自体は慣れてしまっていたが、この一年ばかり吐いてばかりいて、その痩せ方にギクリとし、覚悟もした。

死んだ後

幸いにも、あまり喪失感はない。

不幸にして死んだのではない。死ぬべくして死んだのだから。思えば偶然によって随分と生きた。

元々膝の上に乗っていても気づかない事があるほど気配のない生き物だから、何が変わったという気もしない。

ただ、探してもいないだけである

強いて喩えるなら、部屋がキレイに片付き過ぎて生活感のなくなったようではある。

記事への反応 -
  • 振られて丁度一ヶ月か。こんな感情になるなんて思ってもしなかった。 自分の弱さしか見えない。会う前まではもっと安定した自分であった。 初めての感情にあったのに感謝したときも...

    • ずっと、早く死ねよと思っていた猫が、めでたく死んだ。およそ一月前の事になる。 一年ばかり吐いてばかりいた。書類、絨毯、洗濯物など何でも汚染されるため、当然そのような部屋...

    • 21なら遅いってこともないと思うよ。 俺は25で初めてそれがどういう経験か身にしみて理解したという男だけれども、たぶん年齢的に遅すぎたことが大きな原因になって立ち直れないで...

    • 何強がってんの 敗北をみとめろよ 相手の人は今頃別の誰かの上でよがいているから

    • 21,2歳での経験としては、遅すぎたけど、手遅れではなかったっていうことは客観的に言えるんだろう。 遅すぎってこたないよ。 気づかないで終わるひともいる訳だし。 あとそうい...

    • わかりますわ。 でも、「新しい恋をするのが一番だよ☆」って言われましたので、そっち方向でいきましょう。できる限り。

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