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2021-08-01

自分の中にいるハルヒ像の乖離とあの頃

金曜日、久しぶりにTVを付けたらテレ玉涼宮ハルヒの憂鬱放送されてた。エンドレスエイト、それもみんなが夏休みループしているのに気づく回でこれぞハルヒ!と言えるような回だった。

自分の中でオタクという人格形成を手伝った直接的な作品であるアニメでもあるので、やはり見るべきだろうと視聴していたが、なにかしっくり来なかった。

画質が良すぎた。

自分ハルヒに初めて触れたのは中学生夏休みコンビニが町に一軒しか無いような東北のクソ田舎暮らしている自分がほぼ初めて見た深夜アニメハルヒだった。クソ田舎は無論深夜アニメなんかは放映されているわけはない。父親お下がりでもらった、XPも動かすのがやっとのようなノートPCスクエア型の草原からまだリッチデザインだったchromeを立ち上げて、隣町のTSUTAYAで購入した雑誌に乗っていたURLを数分かけて手打ちして入った動画配信サイト。そこでハルヒを見た。

画質は480pのガビガビ、画面の下には中国語フランス語の怪しげな字幕イヤホンから流れてくる麗かな平野綾と面倒くさそうな中村悠一の声。

これが自分の中にいるハルヒの姿。

周りの奴らは遊び回っている一方で、部活から帰ってはすぐにPCにかじりつき、穴が空くまでアニメを見た。あの画質、あのフォーマット動画

セリフ諳んじるほどまで見たハルヒけいおん自分の中のハルヒは480pのハルヒだった。

あれから軽く10年経った。

何気なく見たハルヒは綺麗だった。1080pで写っていた、字幕も何も無かったし途中で広告も挟まれなかった。泣きながら止マレ!を口ずさみ最後まできちんと見た。

あのプールあんなにもきれいだとは知らなかった。ハルヒが年下になっていた。

10年で自分社会人になった。primeやdアニメハルヒをいつでも合法的に見ることができるようになった。

しかしあの10年前、480pのハルヒを見た自分ときめきは返ってこない。鳥肌を立たせながら谷川流を調べた自分感情は返ってこない。

そんなことを考えていたら寝られなくなった。

自分はこの10年をどう過ごして来られたのだろうか。ハルヒはおんぼろのPCの中にずっと閉じ込めていたかった。

 
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