2024-11-14

女神の見えざる手

バリキャリロビイストが、銃規制法案の強化に向けて大胆不敵なロビー活動を展開していく政治映画

ドンデン返し映画鉄板的な名作であり、痺れる面白さ。主演のジェシカ・チャスティから掌で踊らされる。エンタメとしてのドンデン返しがありながら、政治映画として社会性をグサッと鋭利に刺してくる。主人公が銃規制強化に向けて抜本的な戦略多種多様に仕掛けていくストーリーゆえに「果たして、銃規制の強化は成すのか?」と展開が気になるが、本作の肝心な点は銃規制強化を遂行する勝利ではなく政治闘争の見方だと思われる。

お仕事映画観点から見て、ジェシカ演じる主人公人物像が素晴らしい。バリキャリ仕事人として説得力がある。と言うのも、銃規制強化を推進していく者でありながらも、本人は銃規制強化に対して強い情熱を持っていない。「いや、そんな人は仕事出来ないだろう」とツッコミが入るけど、そもそも情熱がある=仕事が出来る」という理論こそ根拠がない。情熱うんぬんではなく、「能力が高い=仕事が出来る」という至極、当然な理論淡々と描くことで、解像度の高いシゴでき人間を具現化させている。本作の主人公は最善ながらも掟破りな行動を取るが、それもまた情熱が薄いからこそ実行できるものである。そんなことを重ねるうちに人心が離れて孤独に苛まれるのも、能力が高い人間宿命であり普遍性である。そうなりながらも、能力の高さで弱者を救済していく姿はシゴでき人間社会役割として示されている。あと、「仕事が出来る者=性欲が強い」という人間本能の面を描写しており、モリモリとセックスしていて更に解像度が高まっている。

評価

脚本ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出映像   :⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計15個

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