位相空間論は、連続性と近傍の概念を抽象化し、世界の基本的構造を記述する。
定義: 位相空間 (X, τ) は集合 X と開集合系 τ ⊆ 𝒫(X) の組であり、以下の公理を満たす。
1. ∅ ∈ τ かつ X ∈ τ
2. {Uᵢ | i ∈ I} ⊆ τ ⇒ ∪ᵢUᵢ ∈ τ
3. U, V ∈ τ ⇒ U ∩ V ∈ τ
応用: 量子力学におけるヒルベルト空間 ℋ は、内積 ⟨·,·⟩ から誘導される位相を持つ完備な位相ベクトル空間である。
圏論は、数学的構造間の関係性を抽象化し、異なる分野間の類似性を明らかにする。
2. 各対象ペア A, B ∈ Ob(𝒞) に対する射の集合 Hom𝒞(A, B)
3. 射の合成則 ∘: Hom𝒞(B, C) × Hom𝒞(A, B) → Hom𝒞(A, C)
4. 各対象 A に対する恒等射 idₐ ∈ Hom𝒞(A, A)
Hom(h(A), F) ≅ F(A) が自然に成り立つ。
ここで h(A) = Hom𝒞(A, -) は Yoneda 埋め込みである。
応用: 量子場の理論における相互作用は、Feynman 図形を用いて表現されるが、これは圏論的に解釈可能である。各粒子を対象とし、相互作用を射とする圏を考えることで、場の理論の構造を抽象化できる。
代数的位相幾何学は、位相空間の不変量を代数的に研究する分野である。
ホモロジー群:
n 次ホモロジー群 Hₙ(X) は、n 次チェイン群 Cₙ(X) と境界準同型 ∂ₙ: Cₙ(X) → Cₙ₋₁(X) を用いて定義される。
Hₙ(X) = Ker(∂ₙ) / Im(∂ₙ₊₁)
応用: 物理学における位相的欠陥(例: 磁気単極子、宇宙ひも)は、ホモロジー群やホモトピー群を用いて分類される。例えば、n 次元球面 Sⁿ の k 次ホモトピー群 πₖ(Sⁿ) は、k < n のとき 0、k = n のとき ℤ となる。