これはとても疑問に思う。調べてもこのことについて言及する資料はほとんど見当たらない。あっても需給バランスの問題で片づけられてしまう。そういう表層的な次元の話をしたいのではなく、深層にある社会構造に切り込んでいかないと無意味だ。日本の女性が受け身であるとはよく言われるが、これにはいくつかの理由があると思う。
①社交文化の未発達
まず①だが、日本には見知らぬ他人と交流するいわゆる社交文化が発達していないと言われている。海外では社交パーティなどは日常的に行われているが、日本ではまだまだそういった場は少ない。これが日本人女性(男性もだが)が恋愛に積極的になれない理由の一つになっているのではないだろうか。
次に②だが、「ねるとん」は1987年に放送開始された集団お見合いをコンセプトとしたバラエティ番組だ。この番組では、アプローチを男性が女性に行うのが定番の流れになっており、「男性=アプローチする側 女性=アプローチを待つ側」 という構図を若い世代に普及させたという説がある。
最後に③だが、「男は外で仕事をし、女は家庭を守ること」が昭和のある時期までは社会通念となっていた。その結果、家庭に入ることが前提とされる女性の賃金は低く抑えられ、男女の賃金格差が生まれたとされる。もちろん今では性別役割分業はほとんど遠い過去のものと言っていいだろうが、こうした半ば形骸化したシステムが人々の意識の上ではまだ残っており(男は女を守るもの! 男は女に奢るもの!)、それに①と②が加わり、マッチングアプリにおける女性無料という優遇措置がとられているのではないだろうか。
ジャプオスに金かかる価値がないから