2023-10-14

ヤン・ウェンリー

https://somethingorange.jp/entry/wakararanai

これを読んで、頭の中に出てきたこ


ヤンのような人間を書く場合必要なのは

人物設定をどうすれば、とかではないと思うんだよ

ヤンラインハルトは、無能旧体制に対して対象的に置かれた駒であることは、誰も否定しないでしょ?

旧体制破壊して自身が新しい体制を作り出していくことが許されているラインハルト

旧体制破壊することに対して思想的な枷を嵌められたヤン

民主制に対して強制力を発揮することが、すなわち民主制否定という、わかりやす舞台装置

あの作品世界では、ヤンにもラインハルトにも、汚い野望がない

どちらも根底には理想があり、その理想に沿って忠実に動く駒なんだ

そして、それが実現される世界

普通なアスター会戦はアレだけの負けの中でヤンの指示なんて通らずに潰走してる

ヤンに心酔してるわけでもないのに、部隊の末端までもが指示に完璧に従う

なろうもかくやという、ものすごいご都合キャラだよ

それが違うように見えてるとしたらば、単に世界リアリティラインに引っ張られてるだけ


ヤン怠惰でなくてもいいんだよ

理想燃える能動的な人物だとしても、自身思想足枷になって十全に能力を発揮できないキャラクターとなる

そういうキャラって多いだろ?

オーバーロードのガゼフ・ストロノーフとかもそうだな

あのキャラもなかなかの人気だ


ヤンを「厭世的で皮肉屋で怠惰に見えるが実はすごい才能をもっており、不本意ながら大活躍してしまい周囲にチヤホヤされる」と評価するから間違うんだよ

設定した理想の通りに動くブレのないキャラとして考えると、その辺のキャラと大して変わらないキャラとして認識できるはず

ここまできたら仕組みとしては単純で

「設定のとおりにコマを動かす」ことに納得感がどれくらいあるのかって話になる


銀英伝世界は、なんだかんだ揶揄されながらも、人々の琴線に触れる物語なわけ

同盟しろ帝国しろ旧体制は腐り切っている

片方は、それを根っこから潰してしまう話

もう片方は、正当に評価されないやつが実はすごかったという話

わかりやす

半沢直樹とかと一緒だ

「厭世的で皮肉屋で怠惰に見える」みたいなことは、替えがきくパーツでしかないんだよ

生存バイアスのもの

「厭世的で皮肉屋で怠惰に見える」キャラが人気であることと

その人気の根幹が「厭世的で皮肉屋で怠惰に見える」にあるかどうかは別の話

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