2023-06-14

生理的に受け付けない。

高校の三年間、私がただそこに存在して息をしているだけで眉を顰められた理由である

別に下心があった訳ではない。なんなら、自分意志で近づいたわけでもない。入学後、人生最初の一限目に指定の席に座ったら、たまたま彼女が隣にいたというだけの話である

元来キモオタであり女子との交流などというものは絶無だった私は挨拶すらできず、その日は一度も会話することなく終わった。それ以降も、私は彼女との接点などクラスが同じというだけだと思っていた。

何となく気づいたのは一週間もしたこである。なんとなく、嘲笑されている気がした。

二週間もしたころには確信に変わっていた。私は明らかに避けられている。

数少ないオタ仲間や周囲の会話を聞く限り、どうやら私はキモいのだそう。生理的に受け付けないのだそう。

こうして私は誰からも腫物扱いされるキモい奴になった。

長らく私は悩んだ。何が悪かったのか。私が何をしたのか。なぜ私はこの教室という空間で呼吸をしているだけで責められねばならんのか。

暫くして、漸く分かった。私は初日の時点で既に、そこに存在して彼女に嫌な思いをさせたという罪を犯していたのである

先生曰く、女の子セクハラだと思ったらそれはセクハラであるらしい。つまり女の子犯罪だと思えばそれは犯罪なのである。そこに論理的矛盾はない。

加えて、日本という社会では法治が掲げられているものの、学校という社会ではお気持ちこそが至上であるキモオタの可哀そうレベルなど良くてゴキブリ。華の女子高生様の足元にも及ばないのだ。

から、どんな扱いをされたところで文句は言えない。

反抗したとしても意味はない。レイプ犯が逆上して暴れだしたようなものだ。私が背負う罪は増え、彼女被害者としての立場をより強固なものにする。進学にも影響するだろう。

から私はなるたけ女の子の気分を害さないように端っこで縮こまって三年を過ごした。結局、皆の言う「とっても仲良しな私たちクラス」に自分が入ることは一度もなかった。

女性の権利を守れと主張する団体は常にオタクを目の敵にしているが、私は彼女らの気持ちがよくわかる。

生理的に受け付けられないゴミクズ存在していることは、女の子にとって絶対に許せない重犯罪なのである

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