2022-07-09

なぜ、表現の自由派のオタクたちは自民党を支持するのか?

一言で言えば、自民党内の党内闘争で勝たなければならないため。

id:hokke-ookamiが、政党の姿勢でいえば、性的少数者を漫画などの悪影響とみなす支持団体は軽視され、表現の自由市場にまかせる表明が表現弾圧あつかいされることが不思議 - 法華狼の日記というエントリを書いている。

ここでは、神道政治連盟をはじめとする宗教保守が、マンガなどの表現弾圧を表明しており、その団体自民党の主要な支持団体であることを問題視していないこと。また、あくまで、表現の自由市場の中での淘汰を主張したに過ぎない日本共産党問題視すること。この二つを批判している。確かに一見すれば変な話だ。

しかし、これは、自民党日本共産党基本的性質の違いというもの無視している。

ご存知のとおり、自民党政権与党である。また、この政権与党地位は、かなり盤石なものであるとも見て取れる。そして、そうである以上、自民党が「マンガ規制する」と決めてしまえば、止めることは難しい。つまり自民党が「マンガ規制する」と決めないようにする必要がある。

さて、では、自民党は「マンガ規制する」という方向で一枚岩なのだろうか? そんなことはない。これは他の問題でも同じである農業福祉医療財政…様々な政治課題について、全く意見の異なる議員が同居して、それぞれが党の意思決定に関与するかたちで動いている。

からオタクたちは、自民党組織議員を送り込んで、「マンガ規制する」と決めさせないように動く必要があるし、それができなければ、野党が何を言おうとも規制されるのである

その意味で、今回の参院選において、自民党赤松健の主敵は、立憲も共産でもなく、宗教保守組織候補である自民党山谷えり子である

対して、日本共産党は、良くも悪くも一枚岩政党である民主集中制に基づき、議論を経た意思決定に逆らうことは許されず、党官僚が強く統制している。これは一貫した政治行動をとる政党組織としては非常に正しい。

しかし、そうであるがゆえに、吉良良子が「“こういう表現は本当にまずいよね”“儲からないよね”という合意ができれば、クリエイターの皆さんも作らなくなると思う」とテレビ発言したことは、日本共産党がそのような価値観で動いており、末端の党員までその決定に従うように統制されていると考えられる。そうである以上、それをオタクが支持することはできないのである

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