2022-06-07

https://news.yahoo.co.jp/articles/5015da26607a03ab2fd804f94bd39019607c12f9?page=5

ーー海外では今、「生活習慣病」はあまり目を向けられていないそうですね。

生活習慣病」(life style disease)という用語自体、すでに国際的に見れば使われなくなっています

医学論文検索サイトPubmed検索すると、「life style」 を含む論文は年々増えていますが、「life style disease」という言葉を用いている論文は589本(0.5%) に留まりますしかもそのうち391 本は日本施設日本人が書いた論文でした。つまり生活習慣病」は日本だけのローカル方言となっているのです。

ーー海外では、大規模な研究結果によって健康自己責任論は見直そうという動きが1980年代から広がっていたにもかかわらず、日本は反対方向に突き進んだ。

海外でもそんなにきれい見直しが進んだわけではないです。健康社会的決定要因という概念は、アメリカでは全く流行らず、政策にも取り入れられませんでした。

民主党の中でもよほどリベラルでないとあの概念は受け入れられない。ましてや共和党には全く受け入れられなかった。

ーーヨーロッパだけだったのですね。

ヨーロッパの中でも健康社会的決定要因を政策に盛り込めたのはイギリスだけです。イギリスでの公式な場で取り上げられたのは、1998年に「健康社会的決定要因 確かな事実(Solid Facts)」というWHO報告書が出てからです。当時のブレア政権が本格的に取り組みました。

この研究を率いてきたのは、ロンドン大学マイケルマーモット教授で、ブレア政権アドバイザーになりました。残念ですが連立政権になってからこの概念は外され、マーモット教授政府系の諮問委員から全て外されました。

ーー健康政策は、見事に時の政権思想に左右されてしまうわけですね。

そうです。やはりサッチャリズムレーガノミクスの影響は大きい。社会格差が広がるにつれて、「健康格差」が目に見えるようになってきたので、社会の注目を浴びるようになった。

日本場合2001年から小泉政権あたりではっきり見えるようになりました。そういう意味政権思想の影響をすごく受けるテーマです。

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