2022-03-22

御前様の消滅三重県での鯉の放流に思う

映画男はつらいよシリーズには笠智衆演じる「御前様」なるキャラクターが出てくる。〇〇上人と呼ばれる僧侶で、幼稚園経営者だ。

寅さんを慈しみ、時には叱る、市井知識人である

ちょっとややこしい問題や、知らないことがあれば、町の人は、

「御前様にお話を伺ってみよう」

となる。

昭和40年代くらいまでは、下町のような「非ニュータウン社会」では、そういう賢人畏敬文化があったわけだ。「キテレツ大百科」におけるベンゾウさんみたいなものである


三重県伊勢市において、地元団体ボランティア地元農業河川に鯉200匹を放流すると言う暴挙を行った。

「鯉のいる川が自然豊かな川だ」

と思い込んでの愚行である映像を見るに、20人くらいはいる。それを好意的に報じる地元メディアによる映像もあるわけだからメディアスタッフも最低2人はそこにいたのだろう。

それだけの人数がいて、誰1人、遺伝子汚染外来種放出危険性を知らなかったわけである

こう言ってはなんだが、相当に偏差値が低い集団である、とみなして差し支えないだろう。

むかしは、そう言う人たちも、事前に「御前様に聞いておくか」とやっていたからそう大過なく過ごせていたのではないだろうか。

一流とされるような大学を出た人なら「絶対に」と言っていいほど常識知識の水準であるから、鯉放流団体の人たちに自分たち無知蒙昧さの自覚と謙譲があり、市井知識人サポートがあれば、こう言うことにはならないはずなのである

この一件は、三重県伊勢市と言うごりごりの「田舎」においても、伝統社会が完全に崩壊していることを示した。既に御前様はいなくなり、寅さんたちには自信満々の無知無知けが残った。

  • アメザリと鯉だらけで本人たちがハッピーならそれでいいじゃん

  • 「コイを放流しても定着しませんよ」という話はもっともだと思うんだが、生物多様性にそこまでの価値があると思えないんだよなあ。 地域住民の好きにさせとけよ。

    • アメザリとか葛とかヒアリとかはともかく、コイぐらいのレベルになると、そこまで土着に拘り抜く必要が本当にあるのかとは思うな。   一律拒否がいちばん判断楽だからだろうけど

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