もちろんあったほうが望ましいだろう。
仕事の関係で夜のほうが都合の良い人が一定数いることや、集中する予約を分散化すること、より速く接種を進めることを考えると、夜間対応があるに越したことはない。
ただ、急増する感染者や濃厚接触者への対応で現場が疲弊する中で、余剰人員がない中で、新たに24時間対応を行うというのは現実的ではない。
この点はおそらく、医師会の了解を取り付けた上で、無理のない範囲で、現実的に対応可能な機関(普段から夜間対応している救急医療機関)に引き受けてもらうことになったのだろう。
手順としては抜かりなく、問題なくやっているように見える。
全国初の取り組みであり、その行動力に、多くの人が賛辞を送るだろう。
会見内容だけ見ると、接種する大多数の人からすると、コンビニみたいで便利だ、画期的だとなる。
ただ実際に対応するのは、おそらくマンパワー的に余裕があり、夜間対応による影響が少ない一部の機関だけだろう。
言ってみれば、ごく一部の限定的な対応であるものを、万人に価値があるように大きく見せる。広報の常套手段だ。
大きく見せて、実際の作業量が少なければ費用対効果が高いし、作業が大変だったとしても、職員や利害関係者がカバーすればすむことなので、普段はこのような手法で問題になることは少ない。
しかし今回の場合、全国の医療機関で苦労している方々の中には、現場に余計な負荷がかかるように見えて、あまり好意的に捉えない人もいるのではないか。
その点でリスクのある発表の仕方であったと思う。
おそらくコロナの打開策が見えず、支援策もタマ切れになる中で、「強いリーダーシップ」を発揮することが前面に出てしまった結果なのだろう。