2021-04-14

田原総一朗について

今の若い人は田原総一朗といってもピンとこないかもしれない。しか1990年代から2000年代半にかけて、彼の司会する番組政治的な影響力は半端なかった。彼がいなければ、1993年政界再編小泉政権も、その後の橋下維新なども間違いなく存在しなかった。90−00年代政治田原総一朗抜きで語ることはできない。


田原番組で持ち上げた政治家は、例外くその後に政界に大きな影響を与えている。小沢一郎辻元清美鳩山由紀夫小泉純一郎竹中平蔵橋下徹などなど。お気に入り人物に対して、いかにもな保守派左派を「噛ませ犬」として(亀井静香金子勝など見た目が悪く言葉乱暴人物をわざわざ選んで)登場させて、竹中平蔵たちの説得力正当性を高める手法も非常に老獪で巧みだった。


田原番組で推進した、小選挙区制度の官邸主導政治官僚バッシングとさまざまな新自由主義政策は、日本社会経済を深刻に衰退させたと言ってよく、民主主義も深刻に後退していることは明らかであるしかし彼は反省や後悔は一切しない。小沢一郎他人事のように批判しているかと思えば、パソナ会長として露骨税金を食い物していることがもはや子どもにでも明白な竹中平蔵については、相変わらず番組に読んで熱心に擁護している。90−00年台の政治当事者であったにも関わらず、当事者意識は皆無である。『朝生』も、かつては一流の学者も出演することが多かったが、今は質の悪いネット炎上芸人だらけになっている。


距離のあった安倍政権に対しては批判的だったが、菅政権になって助言役として呼ばれると、一転して好意的評価転向している。丸山眞男の言う「無責任の体系」は、まさに田原竹中にこそ当てはまると言えるだろう。

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