そんなわけで私は母子家庭で、父親の悪口をさんざん聞かされて育った。
子どもが生まれてすぐどっかに行くんだからろくな人間ではないのは確かなのだろう。
やっぱり自分に自信が持てなくて、自分が生きているのが罪であるような気がして。
いや、一般的なことはわからないが、私の友達には似たような境遇の子が多かった。
これは豆知識なのだが、母子家庭歴の長い子供は母のことを母と呼ばず、親と呼ぶ。親といえば母しかいないからだ。
そしてみな同じように、父親の悪口を聞き、母から呪いを受けていた。
友人たちは皆生き残り、それぞれの人生をがんばっている。
私も今となってはそのころに死ななくて良かったな、と思う程度の暮らしはしている。
第二子の妊娠中に不倫が発覚し、先方の子供であるらしいことを妻が白状した。
もともと大変怪しかったので(だから発覚したのだが)、まあそうだよね、という感想ではあった。
先方の男にも妻子があったので、両家族の話し合いの末その子は堕胎することになったが、結局妻は男の元へ行った。
そんなわけで私は男手ひとつで子供を育ててきた。まあ男手ひとつと言ってもかなりの部分を母に手伝ってもらったのだが。
ちなみに最初の話で勘違いされている諸氏もおろうが、母は父の悪口を言う以外はおおむね普通の人である。
なので関係も特に悪いということもない。離婚前までは盆暮れ正月以外に特別連絡を取るようなこともなかったが。まあ普通の親子関係だ。
もう子供もかなり大きくなったが、私は子供の母親の悪口を子供に言ったことはない。
特に何らかの信念があるわけでなく、別に言う必要がないから言わないだけだが。
いなくなった経緯も濁している。分別がつく年齢になったら伝えても良いのかもしれない、とは思いつつも、
自分の親が男を選んで自分を捨てたことに対して分別のつく年齢っていうのがいくつなのかはわからない。
なんでこんなことを書こうと思ったのかというと、ホッテントリに上がっていた別居親の悪口に関するヤフーニュースの記事へのブコメだ。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/feature/1827
自分の体験を語るブコメは、みな母から父への悪口の経験だった。
自分の経験にも照らし合わせると、これはある程度一般的なことなのかもしれない。
すなわち、母子家庭の母親は別れた父親の悪口を言いがちで、父子家庭の父親は別れた母親の悪口を言わないがちということだ。
単純に母子家庭と比べて父子家庭が少ないということもあるだろうけども。
いろんな話を聞きたいものだ。
母子家庭だけど父の悪口は一切聞いたことがないし、なんなら何が原因で別れたのかも知らない。母じゃなくて親と呼ぶのはめちゃくちゃわかるし、たしかに友達の大半が母子家庭だか...