その人は1ヶ月の休職になった。
その日は、夜勤中だった。朝ごはんを食べ終わった頃の、人出の薄い時間だった。
その場を止めに入った同僚の男性看護師は「〇〇さん、殺されるかと思った」「馬乗りになって、殴られた後、思いっ切り蹴られてた」と言っていた。
ある同僚は「彼らには人権はあるけど、我々にはないように感じる」と言って、「病理が悪くて、その人は悪くない。でも、どうしても憎んでしまう。私は看護師として、クズなのかも。」と続けた。
実は、私もその場に応援で呼ばれていった。
暴力被害にあった看護師は、 暴力を自分のせいと考えたりもする。
私は、その場で暴力を振るった方にもお話を聞いた。どうして、そんなことをしたのか、聞きたかった。
あとで調べると、彼は長いこと入院している男性だった。知的障害とアルコール依存症があって、てんかんもお持ちの方だった。
(どうして、そんなに興奮しているのですか)
(なぜ、そう思うんですか)
「あとから、入ってきた人が、みんな退院していくんだ」「俺だって、毎日、がんばってるのに。我慢してるのに。誰も認めてくれないんだ」「オヤツだって、今の量で我慢してる。でも、退院できないんだ」
暴力は、きっと、その場の流れや関係性だけで起きているわけではなくて、[もっと、広い関係性の中で]起きている。
不幸にも、暴力が起きてしまった時に、どうして、そうした出来事が起きたのか、考えていきたいと思う。
ジクジクと痛む。インシデントを書きました。
(病院文化にもよるが、暴力行為を受けて、怪我をすると看護師がインシデントやアクシデントを書かされることが多い)
(場合によっては、上司から責められたりもする。管理上の問題にもなるんだろうな)
まずは、何か、「誰かからの良い反応」がほしくて、配偶者に甘いものを買っていきました。
皆さんも、どうか、どうか、ご自愛ください。