2019-03-18

Secret Story

パット・メセニー・グループアルバム最高傑作は何かと聞かれたら、人によって答えはバラバラになるだろう。

初期から現在まで本当に名盤がたくさんあるのだ。だがメセニーソロ名義も含めた上でベストは何か?

という聞き方をすれば答えは簡単だ、Secret Story一択になる。

発売からそろそろ30年経つが全く古びれず、聞くたびに新たな発見がある。

何度聞いても飽きが来ないアルバムなんてそうそ出会えるものではない。

1992年に発売されたこアルバムはどんなコンディションのときに聞いてもハマる。

構成生命力に満ち溢れた明るい曲が並ぶ前半の後、矢野顕子ボーカルが短く入るTrack10の As a Flower Blossoms (I Am Running to You) を転機に

暗く悲しいものに変わっていく。メセニーが失恋を機に作ったアルバムだというから、恋の始まりから終わりまでを描いているのだろう。

最終Trackの曲名は Not to Be Forgotten (Our Final Hour) である。「忘れないで(私達の最後時間)」だ。

恋に喜びや悲しみがあるのは人生と同じだ。俺はこのアルバムには人生が詰まっていると思う。

もっと大げさに言えば音楽のすべてが凝縮されていると言っても過言ではない。

Secret Story2007年リマスター版が発売されている。その際、未使用曲が5曲収録されたボーナスディスクが追加された。

1992年版は76分の収録なので収められなかったものと思うが、この5曲、とても優しく温かいである

追加された曲名はそれぞれ

Back in Time

Look Ahead

Understanding

A Change in Circumstance

Et si c’était la fin (As If It Were the End)

となっている。タイトルだけでもわかるだろう?未発表曲なんてのは普通はたいてい蛇足なのだ

だが15年の時を経て日の目を見ることになったこれらの楽曲は悲しいまま終わった恋のアルバム

困難を超えて未来を見つめ歩きだそうというという希望に変えてしまった。

1992年版にこれらの曲が含まれなかったのは果たして尺の問題だけだったのだろうか。

ひょっとしたらまだメセニー自身失恋から立ち直りきれていなかったのかもしれないと邪推してしまう。

海外輸入盤Amazonで1500円で買えてしまうので今すぐ買え。

1992年しか持ってない奴は買い直せ、その価値がある。

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