2018-05-27

国研研究者をやめて教員になる

国研というのは全く世間的に知られていない。

国立研究開発法人。昔は独立行政法人だったが、研究機関であるものだけ数年前に名前を変えた。小保方さんで有名になったあの理研も国研だ。

何をやっているところかというと、要するに、大学のセンセ程度に研究ができる人を捕まえて、100%公的研究、世の中の役に立つ研究、に従事させる機関だ。

博士号を取った時、企業就職は全く頭に浮かばなかった。国からお金をもらって博士号取得の学費生活費を賄っていたので、お国に貢献したい…そう希望を持って国研の任期付き研究員になった。国のために働いて国のために死にたかった。

が、結局、任期付きなので任期が切れたら終わりだった。任期なしになれるように努力はした。業績も出した。すごい頑張ればもしかしたら任期なしになれたかも?

が、ここで業績を出すことが本当に国のためになってるのか分からなくなってきた。

一昔前、任期付きが一般的でなかった時に任期なしで採用してしまった研究者がいた。もちろんスーパー研究者もいるが、多くは研究能力を失って、適切とは思えない仕事を割り当てられていた。研究能力が高いのは30代まで。それより後まで前線で戦える人はわずか…イチローみたいな例外だけだ。

年齢別の分布を見ると、研究能力は低いがテニュア持ってる研究者を生かすために自分たち若手は任期付きになっていて、任期なしになれるかどうかは業績よりも、上が詰まってるかどうかによる。そりゃ圧倒的業績があれば任期なしにはすぐなれるだろうから、圧倒的業績を出してないお前が悪いといえばそれまでなのかもしれないが…

結局、国研で任期付きで働いても国のためにはならず、昔入った任期なしの人を生かすことにしか貢献してない気がしてきた。要は、研究採用失策の穴埋め要因?そう思ったら、急速に労働意欲を失った。

研究能力が一番高いのは30代までなのに、その貴重な自分時間を、組織採用失策のためだけに使うのか?

もちろん、自分も将来研究能力を失う可能性はある。だが、大学教員なら、将来、研究能力を失っても教育を頑張ることができるし、自分が率先して教育を受け持って、将来の若手の先生教育負担を減らすこともできる。その方がまだ、生産的に思えた。

から国研やめて任期なしの大学教員やる事にした。国のために死ねなかったことが心残りだ。

  • よくわかんねーんだけど 研究って国のためにするもんなのか 世界のためにするものと思ってたが違うんだな 熱い思いをもってるみたいだしまあがんばってなー

    • アレだ、スポーツ選手の国代表みたいなもんだよ。 うちの国の研究者は、ここまですごいことができます、と。 そうした国の第一線の研究者を集めたチームが国研だったのだが、今は民...

      • あー そういう競争的な世界があるわけね そりゃおもしろそうだし、行けなかったのは残念だな 無知ですまんね いい先生になってや

  • いまじゃ国研も定年制に移行してる。まあ国研も大学もどちらもあと10年がやっとでしょうね。

    • 定年制に移行してないところなんてあるのか…? テニュアって言っても日本のテニュアは普通、定年までの在職権だろう。そんなことは分かって書いてる。 あと十年かは知らん。だが...

  • このひと大丈夫かな、いま日本の大学がどういう状況か分かっているのかな。国からの交付金はどんどん減らされているし、授業なんて非常勤の安いバイトにやらせてる。学生数が激減...

    • 汝は誰そ

    • どうなのかね。ただ、このまま国研に残って研究したところで、任期切れたら終わりだからね。 まぁ、要は、確実に任期なしになっておくことの方が重要。万一大学がつぶれても、任期...

      • ??? なんで大学なら救ってもらえるの?必要ないから潰してるのに。 これからは国立私立問わず、大学の統廃合が当たり前の時代がやってくる。任期がどうかとか以前に全体のパイが...

        • なんだかんだ言って、いろいろな組織が公金で生き延びさせられてきたのを見てるからだよ。 あの地域では理系の私大は他にないからな。高校や専門学校も同じ法人がもってるし。あの...

        • 企業が学生に求めるのがコミュ力なんだから大学自体もコミュ力のある大学が残るのが正しい  首相とコミュニケーションが取れる大学が残るのが正しい

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