詩織「新たな愛を見つけるラブ発見型新感覚ラブリーラジオです」
愛海「ありがとうございます?」
愛海「それなんか、別れた恋人の名前をつけるみたいで、旦那さんに嫌われると思いますよ」
愛海「そうですね。でも、あたしなら同僚と同じ名前をつけるの嫌ですよ」
詩織「あなたが…… 愛海じゃなくて…… 愛山とかになれば……
愛海「あたしのたいがいさで隠されてますけど、詩織さんもたいがいですね」
愛海「……うん?」
詩織「話が通じない子ね…… こう、その人っぽい名前ってあるじゃない……」
詩織「だから…… そうね…… 他の例を言うと、高垣楓さんって泉山優奈みたいな感じするでしょ?」
詩織「……じゃあ、もっとベタでわかりやすい例を出すけど。川島瑞樹は片桐早苗っぽくて、片桐早苗は川島瑞樹っぽいでしょ?」
愛海「……川島瑞樹さんは川島瑞樹っぽいし、片桐早苗さんは片桐早苗っぽいです」
詩織「……話が通じない」
詩織「わかったわよ…… もうとっておきを言うけど…… 渋谷凛は有栖川光でしょ?」
愛海「……光被ってるよ」
詩織「南条ちゃんは、ひかるちゃんでしょ! 凛ちゃんは、ひかりちゃんでしょ! ラジオなんだからちゃんと声で伝わるでしょ!」
愛海「伝わってるけど…… 伝わらないよお……」
詩織「もういいわよ…… とにかく…… 郁美ちゃんは今私が五秒で考えた適当なのだから…… もっといいの考えましょう……」
でもね…… 郁美…… 郁は合ってる気がするから…… 郁代? 違うわね……」
愛海「違うよね、棟方愛海だよね? あたし、棟方愛海だよね?」
やっぱり小林じゃなくて……
ははーん……
ははーーーーーん……」
愛海「なんですかイキナリ…… この紙を読めばいいんですか? 読みますよ……
詩織「新たな愛を見つけるラブ発見型新感覚ラブリーラジオです」
愛海「いやいやいやいやいやいや! くるみってまさにうちの事務所にいるから!」
詩織「名前ってかぶるでしょ。あなたの外の人と同じ音の人何人いるのよ……」
なら詩織さんは?」
詩織「クモは動物のクモで、ノは野原のノ、カンは牛編に建物のタテ、ダは大下宇陀陀児のダ、タは多いの多よ……」
詩織「犍陀多と呼んで……」
愛海「犍陀多さんなにか辛いことでもありました?」
愛海「空の雲だとしても病んでいることを考慮したくなるのに、動物の蜘蛛なんですよね? なりたいの」
詩織「だって…… 蜘蛛は地獄に向けて糸を吐いたってことは、極楽にいるってことでしょ……」