今回はガンガンオンライン
まあ最終話なのもあって上手いこと話を収めたなあという感じ。
魔王が人間世界で普通に活動することの正当性に説得力を持たせるなら、そういうオチにしたほうが収まりが確かに良いよね。
あっくんの父親が絵に描いたような胸糞発言を繰り返して、徐々に魔族や人間すら危ない方向に意見が一致する展開は、問題の重さに反してコメディであることをちゃんと忘れていない。
最終話だからといってメインキャラばかりではなく、相変わらずモブを出張らせるのも安定感があるし、得心したあっくんの母親が身も蓋もない罵倒で一蹴するくだりからの、魔族的な解決法は一種の爽快感がある。
自分の知らない友達の一面を、自分の知らない相手によって知り、そのことをどう解釈するかっていう着眼点に感心する。
で、その中心人物であるはずの主人公が、これまた全く違う解釈をしている。
この流れを小難しい理屈を並べず、サラっとやってしまうって作家にとっては中々勇気がいることだと思う。
そのことが理解できるか、或いは共感できなかったら、今回の話を把握できないからね。
ただ、これはこれで面白いんだけれども、やっぱりちょっと物足りないかなあ。
わたモテの最近こういった人間関係の妙さを描写する作風は嫌いじゃない。
けれども最初期の主人公がこじらせながらバカやってた頃のほうが、露悪的で低俗ではあってもエンターテイメント性という意味では優れてたよなあ、とは思う。
私がもててどうすんだ、も結局ただの恋愛物になっているので、この手のネタ物の末路なのかもしれない その点桐生先生は恋愛が分からない、は最後まで貫いてて好感が持てたな