ショタというジャンルがあって、相手が男か女かという違いがあり、さらに女が同年代(インピオ)か、上か(おねショタ)という分類だった。
あくまでメインはかわいい男の子であり、お姉さんは付随するものだった。
ショタジャンルのメインシーンであるアンソロは基本的に女人禁制でありショタホモ、あるいはホモインピオが99%で、おねショタモノはコミックRinとかノーマル男性向け雑誌にぽつぽつとある状態だった。
ここへ男の娘(当時は女装男子と呼んでいた。今でも厳密に両者を区別する場合もある)ブームが来て、おねショタブームが続いた。ここでジャンルに変質が起きた。
ショタコンでない作家もおねショタをエロのジャンルとして描くようになり、主従の逆転が起きたのだ。メインはお姉さんであり(例えば艦これの某とか)、男の子はその相手という立ち位置になった。ショタに関しては思い入れがないものだから、男の子がのっぺらぼうだったり、最悪ちっちゃいおっさんだったりする。
この主従の逆転はおそらく感情移入先の逆転だろうと思う。従来のおねショタの移入先はお姉さんの側であり、その欲求はかわいい男の子を犯したい、あるいは犯されたいだった。一方、主従逆転したおねショタの移入先は男の子の方であり、その欲求はお姉さんに犯されたい、甘やかされたいだ。
つまり男性Mシチュエーションとしてのおねショタであり、最近では大人の男そのままにお姉さん(あるいは年下の少女)に甘えるシチュエーションに移行している。
このジャンルの変質にショタコンの自分としては苦々しいものがあった。賞味したいのはかわいい男の子であるのに、その男の子がぞんざいだという不満もある。
それに加えて、おねショタのメイン層は前述した男性Mシチュエーションを求める層であり、男の子の側は徹底した受け身を求めることが多い。つまりお姉さんが常に上位でありその逆転は認められないという立場だ。その証拠にGirls ForMという雑誌ができ、この雑誌の当初の売りは「逆転なし」というものだったはずだ。
一方旧来のおねショタユーザーの自分としては、逆転したりしなかったりという両者の関係の機微が読みたかったりするし、男の子の側が全く上位でも構わない。悪魔的美少年に悪戯されるなんて、とんだご褒美だろ。
対象を評価するにはそれを客体におかなければならない。男の子の側に感情移入するおねショタはショタジャンルたり得ないのではないか。
ただ最近では前述した通り男性Mシチュユーザーが他に移行したこともあってか、旧来の男の子を賞味するおねショタに回復しつつあるように思う。それには女装コスプレブームが関係しているのはないかと考えている。