結構前になるんだけど、マイケルムーア監督の「世界侵略のススメ」って映画を見た。
元々この監督は好きだったし、今回もアメリカンなブラックジョークで笑かしてもらおう、みたいな軽い気持ちで観に行ったのね。
で、予想通りアメリカンジョークで笑ってたら、段々笑えなくなって来て、最後には結構泣いちゃってた。
映画自体が良かったのももちろんあるんだけど、映画の中で描かれてるアメリカが日本と同じなんだよね。
今までこの監督が作った映画、ボウリング・フォー・コロンバインや華氏911、シッコと言った映画は海の向こうのアメリカが抱える深刻な問題を扱ってた。(銃規制の話や、国民皆保険制度が無く貧困層が医療の恩恵を得られないと言った話)
それが今回は労働や教育、人間の尊厳と言った問題がメインで、よくよく聞いてるとそういう話題のアメリカの現状は日本と変わらないんだよね。
なので海の向こうの話かと思ってたら、突然話が身近で現実的な話になっちゃった。他人事では聞いていられない。
アメリカは長時間労働に低賃金、休みも少ない。休みが多いと言われるフランスやイタリアはどう?
アメリカは詰め込み教育に学歴社会。学力世界一なフィンランドはどう?
アメリカは前科者は人間扱いされず。まともな職も得られない。死刑制度を廃止したポルトガルはどうしてる?
もちろん良いことばかりじゃないし、不況だらけで経済は行き詰まってるけど、欧州の人は「やりたくないことはやらずに、人間らしく生きていこう」としてるんだよね。
社会で生きていくためには嫌なことでもやっていかなくちゃいけない。それができなくなったら人間失格だ。
そんなことはない、と思いながらも心のそこではそう思ってた自分に気づいて、そして大変ながらも人間らしく生きていこうとする欧州の人達のその姿勢に涙が止まらなかった。
アメリカはキリスト教の国なのにどうしてこうなっちゃうんだろうな。