2016-07-10

入籍前夜

明日婚姻届を提出する。


決めてからあっという間な気もするし、とても長かった気もする。

付き合って4年目、住居を共有して1年と少し。

明日には姓を共有するらしい。

正直、嫁に行くという感覚さらさらない。

彼もそうだし、彼の母だってそうだ。

から私も受け入れられたし、母も安心している。

金曜は実家に帰って泊まった。

特に何かをするでもなく、普通に過ごした。

「今までありがとう」みたいな言葉が頭を掠めることもなくて

それはきっと、言葉による区切りや変化をつけようという意志がないのだろう。

プロポーズとは違う。

実家を後にして、地元の馴染みの美容院へ行き髪を切った。

数年担当をお願いしているその人は、私の母親譲りの栗色の髪を褒めつつ、

「式に向けて伸ばすんじゃなかったの?」と笑う。

私の堪え性のなさを少し呆れながらも、ウェディングアレンジやすい長さにしてくれた。


今日は彼と一緒に指輪を取りに行った。

ふたりとも気に入ったそれは、情熱的なデザイナーが描き、頑固なドイツ職人が作ったもの

試着し写真を撮っただけで元の箱にしまい、明日の出番を待っている。

明日の夜は、ふたりピザを作る。

お気に入りワインを買って、予約した特注のケーキを取りに行って。

結婚する」というのは、ちょっとした人生集大成みたいだ。

意志性格、育ち、好み、色んなものがこの瞬間に露わになる。

そして今この瞬間が、これから人生の基盤のひとつになるのなら

なかなか軽やかな軌跡を歩くことになっていきそうだ。


明日婚姻届を提出する。

この先どんなことがあるのかわからないけど

とにかく今は幸せで、嬉しくて、

そして、ほんの少しだけ、切ない。




■160711 追記

こんなにたくさんの方々から反応が頂けるなんて思っていなかった。

読んでくれた方、その上お祝いの言葉をくれた方、ほんとうにどうもありがとうございます

本日無事に婚姻届受理され、晴れて夫婦となりました。

2016年のこの日は天赦日と一粒万倍日が重なるちょっとレアな吉日なのです。セブンイレブン、いい気分。

ピザワインケーキも全部おいしかった。

ピザ作るの楽しかったよ。ちょっと失敗もしたけど、ひっくるめて楽しかった。

多分外食で食べても、宅配で食べても、この日のこと思い出せると思うんだ。

私たちふたりとも順風満帆な家庭育ちではないけれど、それでもふたりで生きて行くことを決めました。

だって私たち私たち以外の何者でもないから。

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