■賞与の支給は当たり前のことなのか

賞与の支給について謝辞を述べるようにということが、

「指令」として出ることはおかしいと思う。

けれど、「賞与」が受け取れることを当然とみなす事も、

文脈にはよるけれどおかしいことだと思うし、

場合によっては経営層に感謝を抱くべき場合もあり得るんじゃないだろうか？

私は200人規模の会社の中堅社員で、

それなりに社長や、取締役、部長陣と

仕事をする機会が多く、

また諸々の非公示の数字も

かなりの部分閲覧できる立場にいる。

そんな当社が今期賞与を支給したわけだが、

低迷する経営状況から考えると

思い切った決断だったと思う。

たまたま社長と二人になる機会があったので、

「今回の賞与、思い切った決断をされましたね」

と水を向けたところ

概ねこんな感じの答えが返ってきた；

「業績のことを考えると今回の賞与支給に関しては、

本当に迷った。

しかし、いまの低迷は経営陣および管理層の責任であって、

現場社員が本当に頑張っていることを自分は知っているし、

本当にありがたいことだと思っている。

だからこそ、経営者としてそうした気持ちを、

言葉だけではなく形として伝えなければいけないと思い決断した。

むしろ、昨年より少ない金額になってしまって、

君たちには本当に申し訳ないと思っている。

絶対に盛り返すから、もう少し耐えて欲しい。」

無論、トップとは結果責任を負うものだ。

業績の低迷に関して責任を負うべきなのは、

一般社員ではなくてトップであることは間違いない。

また、私の収入は低くもないが、

決してすごく高いわけでもない。

たかだか給与の数ヶ月分の支給があるかないかで、

かなり生活に大きな影響を受ける。

さらに、私自身は部下を12名預かる身、

現場で奮闘している彼らの生活や今後を考えると、

いまの業績の低迷については、

なんとかしなければいけないという焦りとともに、

何とも言えない釈然としない気持ちになる。

しかし、社長のその言葉を聞いたとき、

私は深く頭が自動的に下がり、

「社長、ありがとうございます。」

という言葉が自然に口からポッと出た。

もちろん、世の中には賞与が出て当たり前の

幸運な環境にいる方々もいるのだろう。

ただ、そうでない会社も多いし、

それぞれの会社で責任を負う立場にある人間が、

悩みながらも判断した結果が、

いま皆さんの手元に届いている金額となっていることは、

少し立ち止まって考えてみても

良いのではないかなと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20151218233404

Permalink | 記事への反応(1) | 09:59

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