商店街の中を通って行く途中で、寿司屋がランチ営業の看板を出していた
刺身定食が1200円、海鮮丼や中落ち丼などが900円だったと思う
そんなに付いても1000円しないなら悪くないと思って店に入った
カウンターが10席くらいと、テーブルが4卓くらいあったと思う
2階に座敷席があるらしいことを話していた
店員は50代くらいと思われる板前さんと、その奥さんっぽい人が接客をやっていた
2人で回せる席数ではないので、夜にはバイトか家族の人も働くのかもしれない
板前さんは無愛想だった
私が入り口の戸を引き、中に入ったとき、「いらっしゃい」の一言だけははっきりと聞こえたが、
私がカウンター前で「ここに座ってもいいですか?」と尋ねても、もごもご言っていて聞き取れない
ダメそうではなかったので座ることにした
板前さんは奥さんらしき女性を「おい」と呼んで私の来店を伝えた
この店はハズレだなと思った
客は他に3組が入っていた
二人組みのサラリーマン、女性の一人客と、常連だろうと思われる二人組の女性だった
混雑しているというほどではないが、昼のピークを過ぎた時間帯にしては悪くない入りに思える
そうこうしている内に私の海鮮丼が出来上がった
女性が持ってくるものかと思ったが、無愛想な板前さんがカウンター越しに、
今日は仕入れが無かったのかウニに変わってイクラになっているとのこと
このイクラが美味しい
粒はわりと小ぶりではあるんだけど、一粒一粒にしっかりと弾力がある
口の中ではじけると、決して生臭くはないのだけど、磯の香りが広がる
スーパーの弁当に乗るようなのは本物のイクラではなく人工的に作られたものだという話はよく聞くが、
そういったレベルの話ではなく、本物のイクラの中でもかなり美味しい部類のものだ
もちろんイクラだけではない
マグロも、エビも、ホタテも、しっかりとした濃い味が詰まっていて、
たとえ紀ノ国屋で良い素材を買ってきたとしても、同等の味を出せるようなものではないだろう
椀は、鯛だろうか、白身魚のアラから出た旨味が詰まったすまし汁
茶碗蒸しは、まさに今蒸し上がった熱々のもので、こちらもしっかりと出汁の味が染みている
とにかくすごく美味しかった
回転寿司を除けば、寿司屋に入ること自体がもう5~6年振りになるが、
たまたま入った町の寿司屋でまさかこんなに美味しいものが食べられるとは思わなかった
週に何度も通うような距離でも値段でもないけれど、これからはたまに食べに行くようにしたい
店の!名前は!!どこだよ!!!!!!!!!!!!!!!!