2015-01-16

結婚住宅購入の類似性

結婚住宅購入って似ているところがあるように思う。

結婚住宅購入も、ある種の投資だ。この投資は、一度行うと、その後の選択肢一定程度制約される。

解消は可能だが、それには経済的負担を伴う可能性が高い。

したがって、「自由でありたい」「身軽でありたい」「将来の状況変化に柔軟に対応したい」ということを重視するのであれば、あまり合理的選択肢とは言えない。

また、一概には言えないが(結婚場合共働きなら家賃等が節約できるということがあるし、住宅にしても不動産価格上昇の可能性はある)、それをしないという選択肢に比べて、経済的リスクを負うことになる可能性が高い。

しかし、経済的デメリットの反面、経済以外の点でのメリットもある。

一つは、自分の帰る場所拠点を持つことによる安心感や、一つのことに長期的にコミットすることによる満足感である。これにより、経済的指標では測りきれないメリットがある、と感じられる場合には、多少経済的リスクをとってでも実行するということになるであろう。しかし、実行したからといってこのような安心感や満足感が得られるかどうかは、やってみないとわからない。一種の賭けだ。しかも、結婚についても、住宅についても、実行したらそれだけでずっと自動的安心感や満足感というメリット享受できるわけではなく、絶え間ないメンテナンス必要である

また、少なくとも現在日本では、結婚または住宅購入により、一定社会的評価を得られやすい傾向はあるだろう。

もっとも、結婚または住宅購入がどの程度社会的評価につながるかは、当人の置かれている環境による。こちらは、安心感や満足感というメリットに比べて、あくまでサブのメリットだと思う。

では、結論として、結婚住宅購入をするのがよいのかどうか。

これは、個々人の価値観次第としかいえないが、個人的には、「失敗するかもしれないが、もし機会に恵まれたのなら、経済的リスクにとらわれず、やってみればいいのではないか」と思う。

結婚にしても住宅購入についても、本当にどうしても合わなかったら、解消する道がないわけではないのだ(経済的な損はするかもしれないけど)。

本当にリスクを避けて効率的合理的に生きたいと思ったら、それはずっと単身で、なるべく安くて立地のいい賃貸住宅に住み続けるのがよいのかもしれないけど、致命的ではない程度のリスクをとって何かに挑戦してみるというのは、それはそれで(失敗した場合にはその失敗の過程も含めて)得難い経験になるのではないかと思う。だから、もし機会に恵まれていて、しかし将来のリスクを考えて迷っているのであれば、やってみたらいいだろう。どうせいつかは死ぬんだし、それは明日かもしれないんだから、あまり失敗した時のことを考えて足踏みするのはもったいない

他方で、特に「これだ!」という機会に恵まれなかったら、無理に結婚住宅購入というところで大きな賭けをする必要はないだろう。

一番馬鹿馬鹿しいのは、自分では納得していないのに、周りに流されて、しなくてもよい大きな賭けをしてしまい、かつ失敗することだ。

結婚住宅購入は、一般的には、他のことへの投資に比べると、リターンを得られる可能性が高い投資として見られてきたように思う。

しかし、納得していないのに実行した場合は、安心感や満足感という、本来の大きなメリットは得られにくいだろう。社会的評価というサブメリットだけのために実行するには、賭け金が大きすぎるように思われる。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん