ウチの子も子供神輿担いだり、「池袋西口公園(ウエストゲートパーク)の屋台村」で金魚釣りすることになると思う。
客観的にみると、かなり大規模な祭りだと思うのだが、この「ふくろ祭り」、豊島区以外ではほとんど知名度がない。
多分、杉並区とか江戸川区の人は、そんな祭りが存在していることを知らないだろう。
もともと西口ロサ会館のオープンを記念して開始された祭りらしく、だからロサ会館の辺り、つまり
「池袋ウエストゲートパークの主人公マコトがやってる果物屋の西一番街」の辺りが最も祭りのピークなんだが、
石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク 全10巻」の中で、ふくろ祭りが出てくる話はゼロ。
作品自体は、池袋エリアの各スポットを正確に描写しているので、それなりに取材はしていたんだと思う。
だから、取材過程で当然石田衣良は「ふくろ祭り」の存在を知った筈だし、書こうと思ったら、ふくろ祭りを取り入れた作品も書けた筈。
それを「あえて、ふくろ祭りを描かない」ことによって、
「本当の池袋」じゃなく、「人々が抱いているステレオタイプなイメージを増幅させた池袋」を、石田衣良は描こうとしてるんじゃないか、と思う。
もし石田衣良が作品中で「ふくろ祭り」を描いて、ドラマでも「ふくろ祭り」を描いていれば、
ふくろ祭りの知名度がうなぎのぼりだったのに、と悔やまれてならない。
ところで、先日「西口再開発で、池袋西口公園が取り壊される可能性」との報道があった。
ネットでは「残念」「潰さないで」の声が多いが、一方地元では「公園を残そう」という声は聞かれない。
こういう点でも、地元の「あの作品」への冷やかな視線を感じてしまう。
もっと露骨に言えば、「あの作品」は、池袋への「世間の偏見を定着させた」ということで、完全な傍迷惑な作品なのである。
普通であれば、
「小説の舞台になった」「マンガの舞台になった」「アニメの舞台になった」「ドラマ・映画の舞台になった」
地元自治体や観光協会が聖地巡礼キャンペーンを作るのが普通なのに、豊島区は全くそういう動きをしてない。
むしろ、再開発によって、公園取り壊しで、「あの作品によってこびりついた世間のイメージを払拭したい」という思惑すら感じてしまう。
地元にとって、全国に周知したいのは「ふくろ祭りの池袋」であって、「池袋ウエストゲートパークの池袋」ではない。