子供の頃から機械設計をする父、銀行で働く母を見て育った私はキャリアを築き上げることしか頭になかった。
ちなみにおじいちゃんは76で死ぬまで自営業で貿易関係の仕事、おばあちゃんは65まで、定年を過ぎた後もバリバリ働いていた。
そういう家系で育ったので、若いうちでの計画性のないでき婚というのは、言うまでもなく自分にとってはあり得ない選択肢だった。正直軽蔑すらしていた。
両親が結婚したのも、父33歳、母28歳の時で、私が結婚するのも仕事でキャリアを築いた後の30ぐらいだろうと思っていた。
そんなイメージを抱えながら就職活動も始め、夢描いてきた企業の面接も来週に控えていたところである。
あまりに生理が遅れ、今まで体験したことのない継続したキリキリとした腹痛に不安になり妊娠検査薬を使ってみたところ、現れたのは2本のライン。妊娠陽性反応だ。
思ってもみなかった結果に動揺して、持っていた検査薬を投げた。
彼に伝えた。
「ごめんね。今嬉しくてしょうがないよ。」
と彼は言った。
産もうかなって思った。
実は彼は外国人である。彼とは遠距離恋愛中で、3月の始め6ヶ月ぶりに彼の国に会いに行った矢先の出来事である。離れている間に積もりに積もった想いが溢れ、溢れるはずのなかったものまで溢れてしまったようだ。
尽きない心配事をよそ目に、つわりの吐き気が襲ってきてトイレに駆け込む。
今自分は、小さな時にあんな風になりたくないと思った姿にどんどん近づいている。
でも、産まれてくる赤ちゃんがどんな顔だろう?と考えたら、既に愛しくてたまらなくて絶対堕ろすことなんてできないって思う。皮肉だ。
まわりのみんながキャリアを積み、日本を動かすような重要な役割を担い始める頃、私は育児に追われることになる。
まわりのみんなが金銭的にも余裕ができ、昔手の届かなかったようなものも手に入れる中、私は養育費のために貯金をすることになる。
後悔することも沢山あるだろう。苦労することも沢山あるだろう。
でもたぶん、堕ろしたら1番後悔するんだろうなと思う。
簡単じゃないけど、頑張って幸せな家庭作る。
偉大なる先増田様
素晴らしい。産んでOKですね。 勝間和代さんのように日本を代表する早婚キャリアウーマンになれると思います。
http://anond.hatelabo.jp/20140331001645 いいぞもっとやれ