登場人物
私とA子はオタク仲間。BLより乙女ゲー派。それ以外も含めて趣味が合う一番の友達。
そんな私たち2人は、仲の良い先生がいる。いや、私たちは卒業したし先生も別の学校に移ったから元先生か。でもいいや、今でも先生って呼んでるし。
卒業式の次の日、私たち3人はアキバにいた。アニメショップ行って、サイゼ行って、クレーンゲームやって……つまり、完全に遊び。
先生は割と気前よくおごってくれた。その後も何回か私とA子と先生と3人で遊びに行った。
私もA子もブスではないので、おごってくれるだけの人なら他にもいると思う(←うぬぼれ)。でも、おごってくれるだけじゃなくて一緒にいて楽しい人はなかなか見つからない。
先生はそういう人だ。『俺はオタクを15年やってるんだからお前らみたいな小娘に負けてたまるか(笑)』って言ってたけど、実際ほとんどの話題に話を合わせてくるのは凄いと思う。
先生に彼女はいない。というか童貞だと自分で言っている。本当か。その割には女子について変な勘違いしてるところもなく
(たまにあるけど、他の若い男の先生と同レベル)、女子高で上手くやっていたが。まあ、現時点で彼女がいないのは本当。
先生はなんで私たちと遊ぶと気前がよくなるのか、なんとなく気付いていた。先生はA子のことが好きだ。
割とみんなに優しい先生だけど、A子にだけは特別に優しい。A子の一番近くにいる私だから分かる。そう思っていたら、先生から相談された。
私「好きなの?」
先生「あれ、気付いてた?」
私「なんとなくはね。いつからA子のことが好きだったの?」
先生「いつの間にか好きになってたけど、きっかけは一緒にアキバ行った時かなー。あの時に『こいつと一緒にいると楽しいな』って思った」
私「意外と普通ですね」
先生「『実は一目惚れでした』って言ったら一部の女子は喜ぶんだろうけど」
私「A子はそういう子じゃないよ」
先生「ですよねー」
こういう発想が出てくるあたりが先生は女子に慣れてると思う部分だったりする。いや、顔はともかく30なのにハゲてるからモテるとは思わないけど。
私「なんとなくは分かります」
先生「A子より攻略するの(←こういう表現つかうあたりがギャルゲー脳だと思う)簡単な子なんていくらでもいるし、その中にはA子より可愛い子だっているけどさ」
私「そういうことはA子には言わないようにしましょうね」
先生「それは分かってる」
先生の言っていることはたぶん合ってる。先生はハゲなのに私の同級生からは妙な人気があった。お金のことを抜きにしても、先生から言われたら付き合うのOKする子もいたと思う。
先生「でもそういう計算とか抜きにして、A子と付き合いたいんだよ」
私「A子とエッチしたい?」
先生「うん」
そこは即答するのか。でもダメだとは思わない。付き合っていたらそういうこともあると思う。むしろ「そういう下心はない」とか嘘を言われたらかえって怪しい。
そして、私はA子が少し羨ましかった。先生に好かれているのがじゃない。私も一度くらい、それくらい強い気持ちで好きになられてみたいなぁと思う。
ついでに言うと先生が本当に童貞なら、それくらい好かれた人の初めての相手になるというのも悪くない。
だが悲しいかな。先生が分かっている通りA子のガードが堅いので、私も『私のこと気にしないで先生と2人で遊びに行ってきたら?』と言ってるのにA子はOKしない。
それ、純愛……か? お前の中で純愛の定義って何?
俺も思った。教師が教え子に手を出そうとしてる時点で純愛じゃない。 騙されてるか、『禁断の関係』に酔ってるだけだろ
結婚等の打算なく酔っ払えるのが純愛だよ
おいおい。肝心のA子の気持ちが置いてけぼりじゃねーか