事あるごとに「○○高生ってマジでバカだよなーw(でも頭いいぞ!俺たちすごいよな!)」と盛り上がる。
赤点取っても浪人しても「バカだよなーw」と笑ってる。いや実際馬鹿なんだよ。
卒業して10年以上経っても、酒が入って自虐風母校自慢になると止まらない。
事あるごとに「○大生ってマジでバカだよなーw(でも偏差値高いぞ!俺たちすごいよな!)」と盛り上がる。
単位落としても留年しても「バカだよなーw」と笑ってる。いや実際馬鹿なんだよ。
外から見たらただの冴えない男の集団でしかないのに、何年経っても集まっては同じ話を繰り返してる。
事あるごとに「○○マンってマジでバカだよなーw(でも優秀だぞ!俺たちすごいよな!)」と盛り上がる。
恐ろしいことに40前後の上司から2年目の新人まで、世代間の対立はあるのに、帰属意識と自尊心は同じように育っていることに気付いた。
会社の業績、業界の将来のこと、本当にわかってるのか?そのまま定年まで家族を養えると思ってるのか?
高校でも大学でも会社でも成績の悪かった俺は、大抵苦笑いで馬鹿の同調圧力をやり過ごしてた。
たまに「いや、実際に馬鹿だろ」と真面目に返しても、誰もまともに取り合わなかった。
周りにこんな人間ばかりだった俺自身、奴らと同じくだらない人間だ。
考えるのを止めて馬鹿の中に混じり、優秀な母校の卒業生の話や、母校の研究成果の話、過去の栄光を肴に酒を飲むのにも慣れていった。
奴らは自分の所属や過去の話はほとんどせず、多くは寡黙で、たまにフワフワした夢のような取り留めない話をし、面白がられてはいたが、誰もまともに取り合っていなかった。
今では音楽家とか占い師とかニート博士とかNPOの代表とか、成功したり失敗したり、それぞれ好きなように生きている。
10年ぶりにそのうち1人と偶然再会し、酒を交わして言われた。「増田は馬鹿だから社会人は向いてないよ」
踏ん切りがついた俺は春からまったく異業種の大して有名でもないベンチャーに転職する。
同調圧力から開放される喜びが先に立つかと思ったが、現実的な不安に襲われるほうが大きく、やっぱり俺って馬鹿だったのかもしれない。