2012-05-31

地方エンジニアなんて使い捨てだよ

http://d.hatena.ne.jp/iad_otomamay/20120529/1338304867

を読んで。

驚いている人がいるみたいなので、増田ちょっと書いておく。

こんなの20年前からある話なので私は驚かないし、そういう一派でもあった。地方都市SIerとか名乗っているIT企業はかなりの確率でこの商法で儲けているはずだ。事務所が小さいのに従業員数が異常に多い会社は、つまり外に出ているということだし、「大手の○○と共同プロジェクト」などの売り文句が見えたら、それたぶんひ孫受けかそれ以下。

単価の話をすると、さすがに新人でも0円というのは発注側もまずいので、抱き合わせ商法で内部的に大特価という方法を使う。たとえば業界5年目が時給1,000円×160H=160,000円で、新人時給800円×160H=128,000円などの組み合わせだ。もちろんこの場合も、ふたりが同じプロジェクトで働くわけではなく、5年目はそれなりにちゃんとした仕事が与えられ、新人は納品用の資料のページ数を数えるとか、FDをひたすらコピーするとか、5分おきにエンタキーを押す人間cronとか、印刷されたバイナリコード目視比較する人間コンペアとか、ダンボール箱に詰められた書類を夜行バスで運ぶだけのメール便まがいの仕事とか、そういう肉体労働をさせられる。

プロジェクトが終われば表面上は職歴が付くが、実態としては未経験のままだ。プログラムを1行も書くことなく、仕様書をチラ見することもないし見せてもらえない。普通会社でこういう下働き仕事をしていれば、そのうちマシな仕事が回ってくるのだが、社外に派遣されている期限がきたらさよならする使い捨ての人なのでずっと待遇は変わらず。職務経歴書だけは凄いのに全然仕事できない自称エンジニアが量産されていき、行き場を失って転職する人が後を絶たない。勉強しようと思って自宅でプログラムを組んでも、それはアマチュアの域を出ない。ある意味プログラマ35歳定年説に繋がっている。

ひ孫受けなのに大手と対等みたいな話と同じようなものに、社員スキルの偽装がある。「今回のミッションの君の設定はこれだ」と嘘の年齢・学歴・職務経歴を渡されてその通りに演じきることが求められる。やったことない仕事を「いやぁあれは大変でしたよ!」と実感を込めて言えるようになれば一人前だ。特に上に書いたような単純作業に学歴や職歴は必要ないのだが、それでは大手のプライドが許さない。だから条件を満たすように偽装してプロジェクトに潜り込ませる。

そして稀にマシな仕事がまわってきても期待ハズレで、リアルに「○ねばいいのに」とか言われる。

これが地方都市エンジニアのあり方だよ。

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