たとえば、「80%で資産2倍 20%で資産ゼロ」 という勝負があったとする。やるだろうか?一見して得に思われる。
少し考えればわかるのだが、
「1回やって生き残るのは80人」
「2回やって生き残るのは64人」
「3回やって生き残るのは52人」
とやっていくと
「20回やって生き残るのは1人」
となる。
長く続ければ続けるほど死亡率が上がっていく。
ギャンブルなどをやったことがある人は、『期待値プラスならば長い目で見れば稼げる』という言葉を聞いたことがあるだろう。
先ほどの「80%勝ゲーム」で考える場合、最初10万円持っているとすると。
勝場合 10万円×80%=8万円 負ける場合 -10万円×20%=-2万円
この2つの合計が、 8万円-2万円=+6万円 となるが、こういう風に、「確率をかけたもの同士を足したもの(期待値)がプラスならばその勝負は得だ」という理屈である。
これがプラスならば、長い目で見れば勝てるとほとんどのギャンブラーは考えている。
だが、あからさまなんだけど、こういう期待値プラスだからと言っても、『長く続ければ99%が破産する』というのは数学的な事実である。
先ほどは、10万円あるうちの全部を投資したのだけれど、こんどは、1000円だけ投資することにしてみよう。
「80%の確率で1000円が2倍 20%の確率で1000円が0円」
これならば、延々続けていけば資産は増えていくだろうなというのは想像できると思う。
つまり、期待値プラスを本当に利益に変えるためには、「勝率にたいして資産のどれくらいの量を賭ければいいのか?」というのが大事になる。
そう、だからこそ、相場の本では『資産のマックス2%まで、1%でもよい』という賭け方を推奨している。
だが、ここにも実は落とし穴がある。
「80%の勝率」なんてそうそう無いけど、「55%の勝率」はそこそこある。
だから、「80%の勝率」を待つのが嫌だから、皆、資金の1%を「55%の勝率」に使おうとする。 だけど、55%の勝率にたいして1%の資金をかける勝負は実はギリギリである。
でも勝てるんでしょ?と思うかもしれないが、残念ながら穴がある。
1週間の相場の中で、「80%の勝率」なんてのは1回あるかないかだ。 「70%の勝率」でも5回だろうか。 「60%の勝率」は20回くらいはある。 「55%の勝率」なら100回くらいはある。
ここで問題になるのが、「資金の1%を55%以上の勝率でかける人」がいた場合、彼は1週間に 126回取引をすることになるのだが、彼ははたして「80%の勝負のうまみ」をゲットできているだろうか?
126回中100回は55%の勝負をしているので、彼は実質「55%の勝負だけをしているのとほぼ変わらない資産増加率」しかできない。当然ながら破産率も55%勝率の勝負に引っ張られていく。
他の人で、「資金の2%を勝率70%以上の勝率でかける」人というのは、1週間に6回しか勝負ができないが、安定的に資産が増えていく。
結局、後者の方が破産率は少ないのだけれど、人というのはどうしても待てないし、『目の前に期待値がプラスの勝負があるのにこれを逃すなんてありえない!』となってしまう。
「相場の大勢がはってる方に相場が動くのならば、プロも素人も同じじゃん?」と思う人がいるかもしれない。
だけど、プロは相場の動く方向にはるだけでなく、「同じ方向に張ってるんだけど資金管理をミスっている人(期待値プラスだけどやればやるほど破産率が上がる人)」たちからも利益を得ている。
なぜなら、プロは資産の1%しか賭けていないからドンドン増えていくけど。 資産の5%とか賭けている人は長く続けるほど破産するからだ。
長く勝負を続けて、プロは『同じ方向に張っている人たちから金をかすめ取る』ことができる。(具体的には損切りできるできないの差=損切りでの資産のリスクを1%なりに抑えられる投資にする)
よく、『相場平均の上昇より稼げてないなら雑魚じゃん』みたいなことを言う人がいるが、これは間違っている。平均が上がる理由は、『破産率をかけまくって期待値ばかり得ている雑魚がいるから』であり、プロは上昇より少ない額しか稼げないのは当たり前なのだ。
景気が悪い時というのは、「相場が動きにくくなる」ので、「勝率80%が消えてしまう」ことになる。そして、「勝率60%の勝負」が飛躍的に増える。
そうなるとどうなるのか? 破産率が段違いに上がってしまう。 プロも賭ける資金量を相当下げないと危なくなってしまう。
はっきりいって、「相場が上がるとか下がるとか」がわかるだけでは勝てない。
①「適切な額の資金を賭ける」
③「損切りの時に資産の1~2%だけしか損しないようにする(5%なんて損してたらほぼ破産すると思って間違いない)」
だけど、それで勝てるのは『本当に雑魚な人相手』の時だけであり、それより↑の勝負になって彼らが行き詰るのは目に見えているからだ。
ここに書いた理屈は、あまり公にはなっていないんだけど、覚悟したほうがいい。
ここに示したような数学は数学的には理解できても、「ギャンブルに適用する」となると明確には語れない部分だからだ。
明確に数字や手法やテクニックに還元できず、かなり感覚や才能によって決まってしまう部分なので、半端なやり方では身につかない。身に着ける方法やトレーニングも現在確立されていない。
現状、ギャンブルの必勝法はほとんどが、『期待値』なり『機械化』なんだけど。
ここで示した破産率(サンクトペテルブルグのパラドックス)以外にも、
『強者はそもそもが勝負に参加するときに期待値が回りより高いのだから、勝負の最初の方はほかの人たちよりリスクを多くとるべき(後半逆転する可能性が高いので、最初のほうでナッシュ均衡の手法を取るべきでない)』
とか、ほんと色々ある。しかもたいていは数学的なことは語れても、手法では適用しにくいものばかりだ。こういうことを言うとおかしいと思うかもしれないが、『才能、適正』が相当レベルでものをいうのがギャンブルになっている。
そういうことを理解してギャンブルをするのならいいのですが、理解せずにプロになろうとする若者が多すぎる。
「ファンダメンタルだけでは勝てないから、テクニカルで勝という流れにもう何十年も前からなっている」
「現在の相場は、テクニカルでオッズをはじき出してやるのが勝ち組と言われている」
その例だと全財産かけると再挑戦無理だから期待値プラスでも長期的に勝てないだけで 財産の5%であってもダメってことにはならんと思うが
元増田です。 「100%じゃだめなら、50%なら?」 「50%じゃだめなら、10%なら?」 って順番に考えていくとわかるかと思います。
強者が情報操作などにより一気に利益を吸い上げるから。また、強者はゲーム自体を自分でコントロールできるから。(テクニック云々ではなく、その金なり影響力によって) ゼロサムゲ...
そもそもゼロサムゲームで99%が破産してるという事実はあるの? 50%や90%や99.99%ではないの?
ようするに、「勝率50%の勝負をずーっとやっていても100人が全員全資産を賭けつづければ99%は負けて終わるよ」というだけです。 相場は「上がるか下がるか50%」「相場...
元増田です。 基本的に、情報で勝つというのは、もちろんあるのですが、 テクニカルとかは、「情報で先に勝負したインサイダーたちの後追い」でも利益がでます。 というかそも...