はてなキーワード: ひとりにしてくれとは
わかる。
大卒や修士卒で就職してった同期は、冬にボーナス6ヶ月分もらったり、海外旅行いったり、結婚してマイホーム建てたり、なんか人生謳歌してる。
もうSNSなんて見たくないし、友達からのたまの連絡とかもとりたくないし、返事したくない。もうひとりにしてくれ、集中させてくれって気持ちになる。
D1はやる気に満ち溢れてるけど、D2以降は、自分の知的好奇心のみがモチベーション。D3は、論文の筆がめちゃくちゃ重くて、心が止めてくるんだよ。
博士後期課程って、まじで頭おかしくなる修行。辛いけど、博士取らないとこれまでやってきたことが無意味になるんじゃないかって焦燥感でどうにかなりそうになる。
誰もいない深夜、無理やりカフェインとタバコで頭クラクラさせて、気持ちが乗らない自分自身を騙して、論文書いてた。
たまに、そんな研究生活を平然としてやってのけるヤツもいるけど、正直、精神構造は異形だと思う。超絶クレバーか、超絶鈍感のどちらかしかいないと思う。
博士課程、やめていいんだぞ。本当に辞めていいんだよ、まじで。
正直、30歳でも雇ってくれるところはある。
学歴だとか研究分野とか関係なく、試しに"研究以外の"やりたい仕事だとか、なりたい職業を考えてみてよ。
幼稚園とか小学生の夢みたいな感じでいい。研究に打ち込もうとしたときとおんなじくらい、ワクワクするものあるよ、ぜったい。
そして、たぶん、めちゃくちゃ気持ち楽になるよ。
俺は当時流行ってた映画の主人公がかっこよくて、それと同じ業種・職業で就職した。そんなもんだよ。
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先日、彼女にふられた。
高校を出てからそういう話がとんとなかったなか、ようやくできた彼女で、
そういった思い入れもあったんだと思うけど。
向こうも、昔にあったさまざまな出来事のせいで男性不信なとこがあって、
ぼくの恋愛面での無知さが純粋に思えたのだろうか、何故かお互いに好きになった。
なんで付き合うことになったかはいまでもよくわからない。
とりあえず気づいたころには、関係が始まっていた。
はじめは何で会ったんだろう。
ぼくは正直演奏するのはうまくないし、キレも悪いけど、必死さがなんかむこうの心んなかに残ったみたいで、
二週間ぐらい断続的にぼくが夢にでてきたらしく、mixiで連絡をくれるようになった。
とてもとても頻繁なメールの後、馬鹿みたいに電話をして、急激に会いたくなって、
会いたい!とか言ってほぼ車を運転したことのないぼくがレンタカー借りて40kmぐらい離れた彼女の地元まで行って飲んで次の日まで一緒にいたりとか
向こうが地理的に全然はなれたところに用事でいってるのに「会いたくなった」とか言って会いにきたりとか、
そこから、付き合いだすのまでは早かった。
一年半ぐらい、そういう時期が続いた。
とりあえず地理的な隔絶をものともせず、会いまくって話をしまくって愛し合いまくった。
いま考えれば、ぼくと彼女は一体なにを話していたのだろうと思う。
ぼくらふたりは、バックグラウンドや、趣味も、全然違っていた;
ぼくが中学、高校のころに、プリンスやトム・ウェイツを聞きながら数学ばっか勉強してるころに、
彼女はタバコをふかしながらケラケラ笑って昭和歌謡やクラブ系の音を聞きながら「ポリをまいたり」したりしてた。
ぼくの憧れだったのはヒルベルトで、彼女の憧れだったのは岡田准一と荒くれNIGHTだった。
正直、いまでもよくわからないけど、なぜか共感しあうことが出来た。
彼女の親にも紹介され、こっちの親はちょっとヤンキーっぽいから、と毛嫌いしつつみとめていき、
なんかよくわからんぐらいうまいことすすんだような気がする。
大学卒業して関西の院にいくことになっても遠いけど一緒に行くよって言ってくれた。
ぼくは、そのことばがとてもうれしくて、ながいこと続けていたバンドをやめて、将来のことをしんけんに考えようと思った。
ちょうどそれぐらいからだったような気がする。
彼女の様子がすこしづつ変になった。
毎日50つうちかくきてたメールが、ぱたりとこなくなった。
朝仕事にいくまえと、帰ってきたあとだけとかになった。
別に浮気しているわけでもないようだし、ぼくが嫌いになったわけでもないようだった。
ただ、自分の部屋から出たくない、とか言って、部屋でとじこもってることが多くなった。
どこにいっても、どこで見ても、仕事場に用事でいったときに偶然すれ違って顔を見たときも、同じ顔をしていて、
とてもとても苦しそうな顔をしていた。
見てるのさえつらかった。
会える日は、当然のように減っていき、連絡もとりにくくなった。
バンドを最終的には喧嘩別れ、みたいな形でやめたのもこのころで、
友人の多くを切ったことになったその夜のことも、彼女に結局その話をすることもなかった。
彼女は付き合いで連日のように深夜まで飲んで帰ってきては、部屋で死んでいる。
もう、よくわからなくなった。
会えなくなって、三ヶ月ぐらいたったあと、ぼくが詰問したのが切欠だった。
会えないのは、しんどいならそれでしょうがない。
けど、どうして付き合いでは飲みに行くのに、俺とは会えないのか。別れたくてそんなことしてるのか。
メール送って、二日ぐらい待ったあと、「なぁ、友達にもどろうぜ。オレ、正直しんどいんだ。」彼女はそういって電話をかけてきた。
「浮気してるわけでもないし、別れたくてそんなことをしたわけでもない。ただ、しんどかったんだ。」
「オマエといっしょにいると、彼女といっしょにいるみたいだ。オレがわからないのなら、それでいい。ひとりにしてくれ」
会いに行こうと言い出したが、それもしんどいんだ、ってことで拒絶された。
「どうでもいいひとじゃないから、友達って形ででも一緒にいてほしいんだ」
彼女を苦しめたのは或る意味ぼくのかけた重圧だったんじゃないか、とか思った。
真剣に考えることは或る意味で重圧にもなるし、彼女の両親もおいらをすごく認めてくれていたのも彼女の重圧になったんじゃないか、と思った。
俺はなにもできなかったし、間違っていたんだと気づいた。
そのあと、ぼくの誕生日がきて、彼女はいまでは遠くなった地元から、二日休みをとってきてくれた。
まだしんどそうな顔をしてたけど、普通に飲んで、あそんで、しゃべって。
でもすごく切なくて、ぼくは結局最後に、もう一度、やりなおさないか、ってことを言った。
無理だよ、って言われた。そのあと、メールがぱたりとこなくなった。
そんな顛末。
或る意味でぼくはとてもとても自分勝手だったってことだろうと思う。
相手のことを考えたような行動ってことが、相手に対して負担なときもあるんだって言い方で表現できるだろうか。
それでもぼくは彼女のしんどさを理解することができなくて、爆発してしまって、ふられた。
ぼくは、とても好きな人のことを、しんどくさせたことを、そのきっかけを今ようやく理解して、このエントリを書いている。
もし、もし、だし、たぶんこんなことはないと思うけど、もう一度やりなおせたら、彼女のことをもっと考えられるようになろうと思う。
でもそんときには彼女のそばにおるのはぼくじゃないのかもしれんし、俺のそばにおるのもあいつじゃないのかもしれん。
それもいいんだろう切ねぇけどちくしょうとか思うことにした。