はてなキーワード: 寺門興隆とは
元増田です。
私は妻帯世襲反対派です。
1:日本の現状として仕方がない
2:日本の戒律は大乗菩薩戒(梵網戒)だから不邪淫戒は不倫をしないということで結婚は大丈夫
3:明治5年の太政官布告「僧侶の妻帯勝手たるべし」に由来する
まず(1)は寺門興隆の為とか何とかいいます(建前)が、それで興隆するのは家門(本音)です。これは「寺=私有財産」と考えられていることに関連している言い訳だと思います。
(2)少し専門的ですが確かに梵網戒(ぼんもうかい)は、不邪淫を説くだけで具体的なことは述べていません(梵網戒は日本仏教の中では最も依拠されているもの)。解釈も時代によって大きく異なっていますが、現代のように「不倫しない」というのは、「なんで僧侶なのに妻帯しているの?」と聞かれる頻度が増した現代的な解釈だと思います。しかし宗団が依拠する経典を読むと「性交渉」そのものを禁止しているので「不倫しない」は現代的に都合のいい解釈かと思います。「経典<解釈」という現状がここで浮かび上がります。
以上のことから、私の意見としては「僧侶として結婚をして子どもを産んで育てて世襲させる根拠はない」です。
余談ですが、必ず引き合いに出されるチベットやタイのお話です。
彼らと接して話をした上で分かった程度の知識です。
それは短い期間でも出家することが親孝行という一面があるからです。
僧侶になったのに還俗するということは、ある意味で棄教とも取れる側面があるので、それはそれで問題かと思います。
厳密に戒律を一生守る僧侶は日本と同様に極めて少ないと言っていいと思います。
また全ての戒を守るわけではなく、多くの戒律の中からの自分の守れそうなものを選択して僧侶になります。
次にチベットですが、戒律復興運動が起きて「根本摂一切有部」という戒律に則っています。
しかし、この戒律復興が問題を引き起こしまして、チベット仏教が誇る「性ヨーガ」が戒律と矛盾する状態に陥りました。
そこで実際の性交渉を避けて「頭の中で性交渉を思い巡らすんだ」という修行法が制定されて、それが現代の主流になっています。