はてなキーワード: 公衆送信権とは
http://getnews.jp/archives/11408
当然だと思うが、それに対するネット住人の反論が凄い。
心が狭い、だとか、原理主義だとか、頭が固いとか。
自身が作ったキャラが、不当にゆがめられた形で広がっていくのは気分の良いものじゃない。
ましてや、そのキャラクターがイメージ性を強くもっているものであれば。
私的利用のためや、引用、学校教育における複製など、権利者の許可をとらずして、複製をみとめるケースもあるけども、ネットの場合は、公衆送信権も侵害するので、注意が必要。そこまで目くじら立てないとしても、イメージを汚すおそれのある改変までは認められない、というのは、制作側からすれば当然の主張だろうに。
もし、貴殿がプロのデザイナーになったとして、ギャラを受け取って何かのイメージキャラを作ったとして、
そのキャラは、そのメーカーなり、商品なりのイメージを表現するためにクライアントと何度も折衝してようやく作ったキャラが
そのイメージを歪めた形で、ネット上でコケにされてあちこちに広まってたとしたら・・・
それでも、広めてくれたことに感謝できるだろうか?
イメージを完全に歪曲されて、その作品を汚されたことについて何とも思わないだろうか。
杓子定規に、あれもダメ、これもダメ、というのは気持悪いが、あまりにも歪んだ複製が後をたたないようだったら、厳しい規制が行われるようになってしまうと思う。厳しい規制が始まってから文句を言うのは遅い。二次製作者に、倫理観をもってもらうのは難しい話なのかもしれないが、もう少し想像力を別の方向にも向けてほしいものだと思う。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/24/news085.html
http://b.hatena.ne.jp/mine-o/20080124#bookmark-7203165
なるほどつまり
同一性保持権
同一性保持権とは、著作物及びその題号につき意に反して変更、切除その他の改変を禁止することができる権利のことをいう(著作権法 20条1項)。著作物が無断で改変される結果、著作者の意に沿わない表現が施されることによる精神的苦痛から救済するため、このような制度が設けられている。
なお、ベルヌ条約上の同一性保持権は、著作者の名誉声望を害するおそれがある改変を禁止する権利になっているのに対し、日本の著作権法では、そのような限定はされておらず、著作者の意に反する改変を禁止する権利になっている。
なお、元の著作物の表現が残存しない程度にまで改変された場合は、もはや別個の著作物であり、同一性保持権の問題は生じないと解される。
例外
(略)
翻案権との関係
(略)
(略)
か
名誉声望保持権
著作物の改変を伴わない場合でも、その利用態様によっては表現が著作者の意図と異なる意図を持つものとして受け取られる可能性がある。そのため、著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、著作者の著作者人格権を侵害する行為とみなされる(著作権法113条6項)。例として、美術品としての絵画を風俗店の看板に使用する行為などが該当するとされている。
なお、ベルヌ条約上は、「著作物の創作者であることを主張する権利及び著作物の変更、切除その他の改変又は著作物に対するその他の侵害で自己の名誉又は声望を害するおそれのあるものに対して異議を申し立てる権利」として、同一性保持権と名誉声望保持権が一体となっているが、日本法では改変等を伴わない場合を独立して扱う規定となっている。
ということで、
国内初、ウイルス作者逮捕 CLANNAD画像の「著作権侵害」で - ITmedia News
を
か
とすればみんなスッキリなのでしょう
か。
みてんのが、ほんの一歩先じゃないから、だね。近々の所だけ見りゃあなたの言うような疑問も当然だけど。
著作権侵害の非親告罪化っていう動きがあるのも頭にいれとかないといけないしー。ほかにもいろいろあるしー。
あと権利者側は今回の内容以上にさらに主張してきてるよ。文化庁はダウンロード違法化に関してはyoutubeの閲覧者は対象外っていってるのに権利者側は「対象外じゃない」っていうのを前提に発言してたりさ。あいつらいうことどんどんでかくなるな。刑事罰がないってのもどこまで守れるか、みものだよ。私的複製自体もなくそうとしてっからね。フェアユース(最初からないけど)と私的複製がなくなると凄いことになるぜ。まあむしろそういう未来も怖いもの見たさで見てみたい気もするが。たとえば著作物見たい人が全員、大学のメディア研究学科に所属して留年し続けるような珍妙な未来とか。
まあそれはそれとして
Winnyでの「神」が楽曲を勝手に放流していた場合、「親告罪だからOKOK」って方向性で考えればまあ違法じゃないだろうけど、現実的には「流してもよろしいですか」の許可をどこに取ろうとしてもまあ9割9分はJASRACに行き着いて莫大な金額の請求が来る上に警察も来るわな送信可能化権の侵害の疑いで。捜査に。任意でマシン提出で提出したら一巻の終わりだわ。提出拒んだら別件でいいようにされまくりーと。
「わかってる」Winnyユーザは全員「違法だけどこれが正義なのだ」「捕まえるなら我ら全員捕まえてみやがれ」という覚悟を持ってやってらっしゃると思うけどね。だから警察官のWinnyユーザを警察官が甘く取り扱ったのが凄くやばい方向に効いちゃってる。民事訴訟と公衆送信権侵害でメッタメタにしとくべきだったのよ最初の公務員の流出がばれた時点で。
「超流通」。これがキー。(中略)結局、データを利用した分だけ支払う従量課金制度なのよね。
なるほど。ファイルのデータのやりとりはフリーにして、利用したとき利用しただけ課金が発生するから……これを角川氏は「広く薄くあまねく徴収する」とか言ってたのか。
そして、超流通がやりたいから、完全なDRMにこだわってたのか。
ちょうど今*1、11/13のコメント欄で柴田氏が説明しているけど、まさに、上映権で扱える話じゃないか!
この人は、自分達の既得権益の範囲を分かっていない!
えーと、上映権ってネット上のコンテンツに適用できましたっけ?著作権法第二条17項は次のようになっています。
上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.htmlネット上のコンテンツは公衆送信されるものに当たるので上映にあたりません。従って上映権はネット上のコンテンツに主張はできないと思うのだけど。
そう思ってネタ元を確認してみて書いてる途中に元ネタの人がきちんと否定していた。
誤解のないように補足させていただきます。
上映について定義する二条一項一七号は、かっこ書で「公衆送信されるものを除く」と規定します。
したがってこの問題は、上映権ではなくすべて公衆送信権で処理されることになります。
柴田晴廣(「「超流通」をやりたいだけ」コメント欄)ふー、びっくりした。また新しいオレ流法律解釈が出てきたのかと思ったよ。
閲覧権は単純なダウンロードの違法化なんだろうか?「閲覧権って違法コンテンツのダウンロードの違法化なんだろうな」という話がある。確かに閲覧権という字面から判断すれば、確かに違法コンテンツのダウンロードの違法化に見える。しかし上記の記事は角川グループの会長の意図を読み誤っているのではないか?元のプレゼン資料によれば閲覧権は二つのリスクと二つの誤解をなくすためのものである。二つのリスクとは
であり、誤解とは
である。この二つのリスクと二つの誤解をなくすための閲覧権を提案しているのだ。この意図を踏まえるとこれはYouTubeやニコニコ動画から著作物の管理する手間をなくすためのものではないだろうか。現状無断アップロードは違法であり、アップロードした人は犯罪者であり、キャッシュを保存して見せる検索サイトや動画投稿サイトは違法となってしまうことが多い。そのため検索サイトや動画投稿サイトはやりにくい。その反面、コンテンツを利用するユーザーは何の罪にも問われない。これを逆転させるのが閲覧権ではないか?確かに閲覧権ができれば、違法コンテンツのダウンロードは違法化されるだろう。しかしそれと同時に公衆送信権などを廃止してしまえば、検索サイトや動画投稿サイトは合法化され「制度イノベーション」ができることとなる。ただ配信する側が合法になっても現実的に考えれば、権利者に動画投稿サイトの事業者などは閲覧者の代わりにお金を払うことになるのだろう。JASRACとニコニコ動画のように。しかしその場合でも権利者による訴訟リスクはなくなり、現在よりはやりやすくなる。二つのリスクと二つの誤解をなくすための閲覧権を提案していることを踏まえると、現在「配信違法・受信合法」という法体系を「配信合法・受信違法」という法体系にし、ネット上のイノベーションを起こしやすくするのがが本来の目的なのではないだろうか。
ただ上記の記事のとおり情報が少ないので、あまりこうした議論をしても無駄になるだろう。もうちょっときちんとした情報の開示がほしいものだ。
法体系がデジタル化の流れから取り残された著作権管理。現行法を前提に運用すると、法律違反を覚悟してコンテンツビジネスを実施するか、時代錯誤の陳腐なコンテンツ提供を我慢するかという二律背反に悩むことになる。現実には、あちらこちらで法と現実との相克に陥っている。
http://www.waseda.jp/rps/oip/seminar2007_03report.htmlなんていってるんだから、全部公開してくれたっていいのに。早稲田も器が小さいなぁ。
さすがにその引用の仕方はなにがなんだかわからなくなってきた。
だから違うって。
原著作者が期待していない方法で表示するのは公衆送信権の侵害。
そういう意味で厳密に言えばW3Cに基づいていようがなんだろうが日本の著作権上インターネットは公衆送信権を侵害している。日本の著作権はフェアユースを認めていないからね。
でも、指摘しているのはそういう部分の侵害ではなくって、
「作者は他にいるのに自分が作者です」って偽っちゃだめだよねというレベルの事。
配布方法が暗号化とかそういう高尚なレベルの話しじゃないって。
これは動画をアップロードしている人が著作物の公衆送信件と場合によっては財産権を侵害している。
確かにダメなことだよ。
でも、その動画は自分が作成しましたと偽ることはさらに悪いことなんだ。
自分がコンテンツを提供していますとユーザーに認知させる危険性がある。
A君が描いた夏休みの宿題の絵を名札だけはがしてB君が提出したらB君の作品だって勘違いされるでしょ?
A君の描いた夏休みの宿題の絵を写真をとって他の人に見せるのとは根本的に違うレベルで侵害しているわけさ。
じゃあブラウザはデータをW3Cで世間的に合意したとみなせる仕様とも異なる方法で勝手に解釈して別形式に表示しなおすから著作者人格権を侵害してるわけだ。
ちなみにこれは人格権じゃねぇよw
同一性保持権ってやつ。
上の例だと絵がいつのまにか写真になってたとして、確かに権利の侵害は発生しているけどそれほど深刻な話しじゃないわな。(場合によっては深刻なケースになることもあるけど)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9
簡単にだけど著作権の考え方は書いてあるから読んでくるといいよ。
著作者ね。
この人が公衆送信権をニコニコ動画に付託してニコニコ動画にて配布するのを承諾しました。
くばっていいよーってね。
だから動画をニコニコ動画からダウンロードするぶんには問題ない。
作者がいて配布元があるわけです。
ニコニコ動画にはその作者がだれであるかを示す情報はちゃんとあるでしょ?
だけど第三者がダウンロードソフトという形でそれを提供した場合、そこに作者の情報はあるかい?
「この動画はニコニコからダウンロードしています」とうたってたら、
それを利用したユーザーはコンテンツを作成したのはニコニコ動画という誤解を与える恐れがある。
意図しているしていないに関らず製作者が偽られるわけだ。
これはいちばんやっちゃいけない権利の侵害だよね。
付帯する情報が取り除かれただけのダウンロードがだめな理由はわかったかな?
一方、ただのダウンロードソフトで提供された場合、ユーザーは元の情報を知りえないとダウンロードできないわけで、著作者の混同はおき難い。
それよりも強い排他的な権利をどのように説明するのかに期待します
排他的権利??
何が排他的なんだろう?
というわけで、ニコニコ動画からダウンロードできるけど特に明示していないダウンロードソフトでは問題なくて「ニコニコ動画からダウンロードできます」を明示したダウンロードソフトがなぜ
のかもう少し具体的によろしく。
なお、この案件は公式には
ニコニコ動画の運営会社であるニワンゴより、「ソフト名が『ニコニコ動画』に類似しているため、同社が関わっているかのような誤認を与える」との指摘があり、発売中止を決定した。
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20359120,00.htm
なのだがそれよりも強い排他的な権利をどのように説明するのかに期待します
ってのは、
「うちのホムパゲにアクセスするときはTOPページからアクセスするように」
ってのとどう異なるの?
激しくちがうだろう。
リンク(外部参照)するのとフレームやsrcで内部参照するぐらい違う。
著作権で言うと著作者財産権(おもに公衆送信権)の侵害のみならず、著作者人格権まで侵害している。
財産権はこれは侵害ではなく賛助行為ですと言い逃れできるかもしれないが、
後者の侵害は言い逃れが難しい。
絵が一枚あって、
こんな絵があるんですよーと紹介するのと、
この絵は私が書きましたと紹介するのは大きく違う。
私が書きましたと明記してなくとも第三者が勘違いする可能性がある以上ダメだ。
公衆送信元を隠蔽した上で、第三者にダウンロードさせるのは人格権の侵害にほかならん。
そういう意味でひろゆきはこれはいいのがれの余地がどこにあるのか?と、
不思議におもったのであって、別に恫喝というレベルですらないと思う。
もし、いいのがれの余地があるのだったら自分もつかおうぐらいに考えているはずだし、
余地がないんだったら訴えてみたら楽しそうとか考えたのではないか。
ニコニコ動画が権利者から訴えられても係争の余地はあるが、
この会社がこれの発売に踏み切ってドワンゴから訴えられた係争の余地はほとんど無いだろう。
と、思うんだけどどうなのよ。
http://zapanet.info/blog/item/1088
他人のWebページを勝手に変換し(著作者の意図にかかわらず、勝手にカタカナを半角カタカナに変換したり、勝手にページを分割したり)、http://mgw.hatena.ne.jp/ドメイン上に他人の文章を全文掲載する行為は著作権侵害ではないのだろうか。
うん。これは著作権法を勉強してたら一度は思うこと。と思ってたら、なぜかブクマコメントでえらい叩かれてた。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://zapanet.info/blog/item/1088
自分もうまく説明できる自信がないけれど、みんな
という著作権の超基本のところをよくわからずにコメントつけてるんじゃないかな。
ZAPA氏が言うところの「著作権」は、この場合著作人格権の一部である「同一性保持権」についてであって、複製権や公衆送信権のような著作財産権とは別の権利。そして、著作権の保護客体である著作物は「表現」であって、内容じゃない。
だからこの場合は、著作者の思想・感情の「表現」がどの部分にまで及ぶのかというお話になるんじゃないのかな。
具体的には、言葉の組み合わせで文章に仕上げた部分までが著作者の表現なのか、それとも、文章に使った文字の字体まで含めて著作者の表現なのかというところ。
全角・半角の違いくらいならみんな気にしないかもしれないけど、強調のために単語の前後にスペース空けたり、行間を調整したりってのは立派な表現手法だよね。これが無視されて勝手に編集されてたら、このあたりをこだわった人は怒るかもしれない。
だから個人的な意見としては、侵害って言えば侵害なんじゃないかなと思います。
でもぶっちゃけこんな細かいことに突っ込む書き手は嫌われると思う。
追記
規約で定められてるならそうなのでしょうね。
ただ、それは一般論でなくてはてな独自のこと。しかし、ネットでは一般的なこと。
このあたりの微妙な違いをどれだけの人が理解できているのか…
「赤信号を渡ってはいけません」というのは法で規定されている禁止行為。ゆえに脱法状態。
一方著作権の侵害については、著作者の権利を規定したもの。
もしこの権利を他人が侵害した場合、「著作物の権利を侵害している」ということになる。
これは権利の問題。
誰かの土地である。
その土地の持ち主が寛容な人だったらもしかしたら勝手に家を建てるのすら容認してくれるかもしれない。
だが、勝手に建てたので撤去させることも可能だ。
もしその土地の持ち主が寛容ではない人だったら立ち入っただけで不法侵入で訴えられるだろう。
土地の持ち主がだれだかわからない裏山に秘密基地を立てたケースを考えてみてくれ。
そんな裏山でもだれかの権利物なのだ。
権利侵害に関しては権利者の裁量ひとつ。
だから揉め事がおきないように家を建てるときは土地の持ち主と契約を結ぶ。
もしそれが違法行為であるのならば、契約を結んで解決できるものではない。
とはいえ、取り締まりたくてしかたがないらしくそういう法律をつくりそうな勢いだけどね。
被告のJASRACの主張も、判決も、カラオケ法理を前提にしているから、カラオケ法理を理解したほうが分かりやすいです。
カラオケ法理を詳しく知っているわけではないけど、自分が理解した範囲で書きます。
元にした資料は、文部科学省のページから。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/05072901/004-2.htm
カラオケ法理というのは、著作権の利用をしているのは誰かという、主体を考えるときの理論で、著作権の侵害を考えるときには、侵害者は誰かを考えるときの理論です。
著作権の侵害者は、一般には、複製や公衆送信をした人です。だけど、特定の場合には、サービスを提供した人が著作権の侵害者(主体)になります。このような、サービスを提供した人を著作権の侵害者とするための理論が、カラオケ法理です。
このカラオケ法理というのは、P2Pファイル交換サービスのファイルローグ事件のときにも適用されました。
ファイルローグ事件で、どんな条件を満たした場合にカラオケ法理が適用されたかというと、上記リンク先にも書いてあるとおり、
a)同サービス提供者の行為の内容・性質、
b)利用者のする送信可能化状態に対する同サービス提供者の管理・支配の程度、
等を総合斟酌して判断すべきとされました。
そして、今回の訴訟では、
ア 目的
本件サーバにおける複製は,音源データのバックアップなどとして,ファイルを単に保存すること自体に意味がある
のではなく,原告の提供する本件サービスの手順の一環として,最終的な携帯電話での音源データの利用に向けたものであり,……携帯電話にダウンロードが可能な形のサイト(本件サーバのストレージ)に音源データをアップロードし,本件サーバでこれを蔵置する複製行為は,本件サービスにおいて,極めて重要なプロセスと位置付けられる。
イ 行為の内容
説明図4において本件サーバに管理著作物が複製されることは,当事者間に争いがない。
ウ 本件サーバの役割
本件サーバは,本件サービスにおけるこのような目的を実現するため,原告が所有し,管理して,維持運営する専用サーバであって,それ以外の役割を担うものではない。
エ ユーザの役割
個々の3G2ファイルの蔵置について,その操作の端緒として,インターネットを経由したユーザの行為が観念できるとしても,ここでの蔵置による複製行為は,専ら,原告の管理下にある本件サーバにおいて,行われるものである。
オ 有償性
原告の提供する本件サービスは,前記1(1)認定のとおり,ベータ版での試用では,月額料金が当面無料とされているが,当初から,有料化と機能の拡張が予定されていた。
と裁判官は認定しました。
このことにより、本件訴訟では、カラオケ法理が適用されたのです。
で、増田さんが書かれた、
サービス上の仕組みがここで定義する管理著作物以外のアップロードを不可とする仕組みではなく、管理著作物以外のデータの配信が可能であるという事は、自由な内容のコンテンツをアップロードできる掲示板や一般のストレージサービスと本件は同じであるという事になりかねないんじゃないのかな。
は、自由な内容のコンテンツをアップロードできる掲示板や一般のストレージサービスが、上記した内容・性質から考えると、音楽著作物の複製のためのサービスではないので、カラオケ法理が適用され難いと思います。
また、
殆どの掲示板や一般のストレージサービスにアップロードされるコンテンツの複製権及び公衆送信権はアップロードしたユーザにあり、アップロードの過程や内容に全く関与する立場にない管理者がこれらのコンテンツの複製権及び公衆送信権を持てない
管理者がアップロードの過程や内容に全く関与する立場にないのであれば、カラオケ法理は適用され難く、この点で本件訴訟とは異なるのではないでしょうか。
さらに、
アップロードされるコンテンツが(結果として)JASRACの管理著作物ばかりであるとして、しかしこの判決に則るのならば配信サービスを提供する場合にアップロードされたファイルに対して許諾を受けなければいけない事に変わりは無く
カラオケ法理が適用されるなら、許諾を受けなければいけないでしょうね。本件では、原告は、被告のJASRACから許諾の申し出があったのでサービスを停止して、本件訴訟でJASRACには差止請求権がないことを確認しようとしました。
カラオケ法理が適用されない掲示板等であれば、許諾を受ける必要は無いでしょう。
http://anond.hatelabo.jp/20070528204358
ざっと読んだ限りでは、知財高裁などで示された著作権法関係判例の解釈の流れに沿いつつ、「本サービスのみに特化した」極めて穏当かつ適当な判決だと思われます。
本サービスの「仕組み」に関する裁判所の理解も十分ですし、被告(JASRAC)主張として「掲示板や一般のストレージサービスと本件は違う(p5)」とも明記されています。
この「掲示板や一般のストレージサービスと本件は違う(p5)」と言っているのは下記抜粋の部分のことかな。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070528141551.pdf
(1) 本件サーバは,原告の所有であり,原告が管理運営しているから,自然的な観察の下,物理的ないし電気的にみて,3G2ファイルの複製行為の行為主体が原告であることは明らかである。
本件と異なり,電子掲示板に他人の権利を侵害する書き込みがされた場合,一般のストレージサービスを利用して公衆に他人の著作権を侵害するファイルが送信された場合等において,著作権侵害の主体は,物理的,電気的に複製,送信行為を行っているサービス提供者ではなく,他人の権利を侵害するファイルをアップロードしたユーザと評価すべきであるとする見解がある。
しかし,このようなサービスでは,ユーザは自由な手段を用いて自由な内容のコンテンツをアップロードでき,他方,サービス提供者は,単なる場の提供者にすぎない。上記の見解は,アップロードの過程や内容に全く関与する立場にないサービス提供者に対し,アップロードされる膨大な数のファイルの中から他人の権利を侵害するような少数のファイルを排除する義務を課することが酷であるという配慮が背景にある。
本件サービスでは,全く事情が異なり,原告が提供する本件ユーザソフトを利用しなければ,本件サーバにアップロードすることはできないし,本件ユーザソフトは,本件サーバとインターネット回線で接続された状態で,本件サーバの許可を得なければ作動しない。そして,本件サーバにアップロードが予定されているデータは,ほとんど管理著作物の音声データであり,膨大な数の適法なデータから少数の著作権侵害データを探索するような関係にもなく,原告は,本件サービスを有料で公衆に提供しようとするものである。
この文章が読めば読むほど矛盾が多くて困るんだけど、つまり「本件サーバ内のデータの配信(複製)行為主体は本件サービス提供者である原告であり、アップロードが予定されているデータがほとんど管理著作物の音声データである場合に複製権及び公衆送信権を有さない原告が配信(複製)行為を行うのは不当である。」という事かな。
この「アップロードが予定されているデータがほとんど管理著作物である」というのはユーザがそのように使ったという結果としてそのような状態になったのであって、サービス上の仕組みがここで定義する管理著作物以外のアップロードを不可とする仕組みではなく、管理著作物以外のデータの配信が可能であるという事は、自由な内容のコンテンツをアップロードできる掲示板や一般のストレージサービスと本件は同じであるという事になりかねないんじゃないのかな。
また、本件の場合は管理著作物というのが「被告(社団法人日本音楽著作権協会,JASRAC)の管理する音楽著作物」と定義されているが、殆どの掲示板や一般のストレージサービスにアップロードされるコンテンツの複製権及び公衆送信権はアップロードしたユーザにあり、アップロードの過程や内容に全く関与する立場にない管理者がこれらのコンテンツの複製権及び公衆送信権を持てない無い以上、「掲示板や一般のストレージサービス」といわれるサービス提供者は「複製権及び公衆送信権を有さない原告が配信(複製)行為を行うのは不当である」という点において本件と同じケースになる可能性があるんじゃないだろうか。
また、結論の項にも疑問点がある。
以上によれば,本件サービスの説明図(4)における音楽著作物の複製は,原告が行い,同(4)から(5)にかけての自動公衆送信も,原告が行っているから,それらの行為は,被告の許諾を受けない限り,管理著作物の著作権を侵害するものである。そうすると,同(4)における音楽著作物の蔵置及びユーザの携帯電話に向けた送信につき,被告は差止請求権を有するものである。
したがって,原告の請求については,その余の点について判断するまでもなく,理由がないことになる。
よって,主文のとおり判決する。
つまり「ユーザがアップロードしたコンテンツの複製権及び公衆送信権をサーバ管理者が有さない場合、各コンテンツの著作物管理者に許諾を受けない限り、該当のコンテンツの配信行為は管理著作物の著作権を侵害する。」という事っぽいけど、これは前記の「アップロードの過程や内容に全く関与する立場にないサービス提供者に対し,アップロードされる膨大な数のファイルの中から他人の権利を侵害するような少数のファイルを排除する義務を課することが酷であるという配慮が背景にある」という文章とやや矛盾してる気がする。
アップロードされるコンテンツが(結果として)JASRACの管理著作物ばかりであるとして、しかしこの判決に則るのならば配信サービスを提供する場合にアップロードされたファイルに対して許諾を受けなければいけない事に変わりは無く、これを義務とすることが「サーバ管理者がアップロードされる膨大な数のファイルの中から他人の権利を侵害するような少数のファイルを排除する義務」と比べて酷でないとは思えないし、そうでないとすればこの点においても掲示板や一般のストレージサービスと本件が同じである可能性があると言えるのではないのか。
※投稿したあとで文章的に変な所があったので加筆した部分があるけど内容自体はそのままの状態です。(00:41加筆)