なんだか随分と遠くまできた気がする。
でも自分の年齢のおかげというよりは2000年頃から社会の潮目がだいぶ童貞よりに偏ってきてくれたおかげだと思う。
というか、童貞かどうかを確かめられるような発言をされたのが30ぐらいまでだったと思うから、本当にそれぐらいから色々と変わってきた。
やはり時代の流れなんだと思う。
童貞って恥ずかしいよねヤバイよね!結婚しないとかありえないよね!みたいな価値観がだいぶ静まっていった。
景気の良さが社会の多様性を上方向に押し上げ、そのあとで不景気が下方向にも押し広げた。
広がった中間ゾーンの中に「なまじ金持ってるせいで変な奴しかよってこない異性恐怖症」とか「金がなさ過ぎて子供作れないから結婚自体やめた人」とかが飲み込まれていった。
それらに比べれば「別に女が嫌いなわけじゃないけど、わざわざ恋愛するよりエロゲでシコってた方が手っ取り早いから童貞」という俺みたいなタイプは全然普通寄りでいられた(具体的に言えば「異常者ではあるがこっちまで巻き込まれそうではないタイプ」という扱いだろうな)。
恋愛至上主義や家族至上主義が社会から消えていき、女性の社会進出もあってか独身がドンドン増えていく、その枠の中では恋愛経験の有無なんてもうもうどうでも良くなっていったんだろう。
極めて狭い人間関係、それも性欲や保存本能に突き動かされたものに人生を依存させるという選択肢が当たり前なはずがないんだ。
孤独死するとき部屋が訳アリ物件になってしまうことについても、今後孤独死が増えれば時代が勝手に解決するだろう。
俺は逃げ切ったぞ。
田舎の五男坊とかも童貞やったりしたみたいだよ