Z世代が人の家に行ったときにまずすることといえばWiーFiを繋ぐことである。これはその家の主から切り出すのが基本だが、待てない奴は自分から「WiーFiどれ?」とネットワーク選択画面を開きながら聞いてくるものである。
しかしその友達は5回以上我が家を訪れているにもかかわらず、一向に繋ぎたい様子を見せることはなく、なんだったらある時はYouTubeでちいかわのアニメを見てケラケラと笑っている有り様だった。こんなしょうもないことで貴重なデータ通信量を消費していいのかと心配になり、WiーFi繋げる?と聞いたが、大丈夫!と返された。
昨日、意を決して聞いてみた。なんでうちのWiーFi頑なに繋げないの?と。
そういうのがあるのか!
この友達というのは親が病院をやっていて実家が太いため、ちいかわの件では自分は心の中で、こいつは月に20GBぐらい契約しているから余裕があるのだろう、と思っていた。そこが想像力の限界で、とはいえWiーFiを繋げるに越したことはないだろう、と思っていた。
しかしそんなことはなかった。スマホにWiーFiを繋げなくてもいい世界というのがあったのだ。我が家のNURO光を接続するよりも四方を駆け巡る5G電波を拾ったほうが快適ということである。
俺はこの一件から、現代っ子の育ちの違いはWiーFiに対する価値観で測れる部分があると考えた。
中流家庭は格安SIMの月1桁GBでしのいでいるためすぐ「低速かかった」とか言うし、人の家に行ったらまずWiーFiを繋げにかかる。
ちょっと階級が上がると月2桁GBに契約していたり特定のサービスの通信量は加算されないプランに契約しているため人の家に上がっても相手から切り出されるまで別にWiーFiを繋げなくてもいいやという顔をするし、低速かかった、なんてことは言わない。
上流家庭は使い放題プランである。この層は平気で外でYouTubeやTikTokを視聴し、インスタライブを行い、動画のストーリーを躊躇なく投稿する。
下層階級はどうか。彼らはよくわからないSIMと契約し、そこらへんの怪しいフリーWiーFiを拾っている。動作のもったりしたイヤホンジャック付きのよくわからないAndroid端末で読み込みの遅い画面を眺めている。
昔は人の家庭の経済状況を測るには子の礼儀作法を見ていたようだが、令和のそれはWiーFiに現れる。
「わが子から育ちの良さをにじみ出させたい!」と思っている親御さんは心に留めておくといいだろう。そして使い放題プランを契約しよう。それができないのであれば、残念ながらその家庭からはにじみ出るものはないということである。
はてなに若者はいない
パスはゲスト用のを使うんだよね?