2022-10-02

MIT博士課程月収63万円の暮らしはいかほどのもの

日本学生夢を与えるかなと思うから言うんですが、9月から給料日本円換算で63万円/月になりました。アメリカCS博士課程の給料です。

https://twitter.com/00_/status/1576216003427454976

素晴らしい。さて、これがどれほどのものなのか。

1 USD = 144 JPYとすると月収63万円というのは月収$4,375ということになる。ボーナス等を考慮せずインターン等による収入無視して単純に12倍すると年収$52,500(≒756万円)。MITがあるマサチューセッツ州ケンブリッジ年収中央値$49,313(≒710万円)であるので普通よりは少し上の年収という感じのようだ。

ケンブリッジワンルーム賃貸中央値$3,183(≒46万円)である手取り月収はベネフィット構成にもよるが恐らく$3.3k-$3.4k(≒47-49万円)くらいだろう。ワンルームを借りて一人で住んでしまうとそれだけで手元にお金が全く残らなくなる。つまりルームシェアをするしかない。アメリカドラマを観ると若者がみんなルームシェアしているのはこのせいである。

しかしそこはMIT大学が提供する住居を使えばかなり安く抑えられる。一番安い部屋を選べば$928(≒13万円)にまで抑えられる。これを選ぶかルームシェアをするか、いずれにせよ家賃は月$1k-$1.5k程度はかかる。手取りからこれを引くと月に約$1.8k-$2.4k程度残る計算になる。現実的に考えて手元に$2k(≒29万円)残るとしておこう。

アメリカ物価日本の2-3倍程度と考えると良い。ビッグマック指数日本は対米比-45%であるアメリカビッグマックを買うと日本の約2.2倍するということだ。これを考慮すると29万円は日本での10万円-15万円くらいの感覚になる。ここから光熱費等様々なものが引かれるので実際に自由に使えるお金はあまり多くないことが分かる。

日本博士課程学生がもらえる学振だと月収20万円。月の手取りは約16万円。ここから家賃が引かれる。東京なら最低でも月7万円は下らない。月7万円のワンルームに住むと9万円が残る。ここから光熱費等様々なものが引かれるので実際に自由に使えるお金は多くない。

結論として月63万円はあまり夢が無いと言えるだろう。少なくともパッと見ほどの夢はない。東京学振博士学生に比べたらほんの少しだけマシという程度であろう。東京以外を考えるともはや日本の方が良いのではという気もしてくる。当然のことながら、教育の質や得られるものの大きさは無視して日常生活のみを考えての話である

夢の話をするなら卒業後の話をした方が差が明確に出るのではないかMITCS博士だと職種や内容にもよるが年収$200k-$500k(≒2,880万円-7,200万円)くらいのポジションなら簡単に見つかることだろう。ぜひ就職後にも夢を披露して頂きたいものだ。

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