つまり「女性に無遠慮な性的な視線を向けられるイケメン」が描かれた漫画ということなのだが。
女性の生きづらさみたいなものを細やかに描きつつ、大枠は異性同士の恋愛ものと思われる作品だ。
その漫画自体の面白さは置いておくとして、こういう話題って最近どこいっても見るな、と思った。時流もあって、漫画や映画において女性の生きづらさはよく取り上げられる。
それは多岐に渡るが、ひとつとして「無遠慮で無配慮な性的な男性の視線」がよく挙げられる。そして、それは現実の問題がこうして表出する以前から少女漫画では描かれてきた、と思う。昨今の現実の問題とは全く別の文脈で、困ったヒロインを助ける相手役の活躍シーンまでを1セットに物語的な障害のひとつとして。
しかし、男性がそういう被害を被る漫画を私は見た記憶がない。「無遠慮で無配慮な性的な視線」はなにも男性だけのものではないはずだ。女性がその視線で男性を見て加害者(精神的なものも含めて)になるケースもあると思う。それなのに、なぜ男性向け漫画では、この要素が描かれないのか。
女性の生きづらさの反対(?)は、マッチョイズムだというのがよく見る主張で、社会が規定する男らしさを押し付けられた男性の生きづらさを描いた作品も見かけるが、その場合、男は自分自身や父、友人など男性、あるいは男性的価値観に苦しめられる。
そうではなく、上に書いたような異性からの攻撃(物理的にだけでなく心理的なものも含める)に苦しむ男性を描いた作品ってないのだろうか。
ここまで書いて、純然たる異性の攻撃(つまり悪意)を描いたパターンは男性も女性も見たことがある、とは思った。漫画の中でキモオタと揶揄される本好きの男子高校生も、キモオタと陰口を叩かれる眼鏡の女子も漫画で見たことはある。
BL漫画なら結構そういうのあるよ 女が嫌になって男にってやつ
女性向けのなろう小説は大体そんな気が… 王子やら騎士団長やらのイケメンに自国の女は媚びを売りまくる →女にもううんざり →異世界の女は媚びを売らなくて新鮮、気になる… 的な...