まず、国会議員に限っても何百人といるわけで、名前と顔を一致させて覚えるのすら難しい。
テレビニュースで○○党の○○氏がこのような政策を立案しましたとか動画付きで見ても覚えられない。1時間も経てば名前も顔も政策も忘れてる。
そんな状態じゃ誰がどんな人かだって覚えてられないし理解もできるわけない。
党もたくさんあってどの党がどういう毛色でどういう政策をやっているかも覚えていられない。
だいたいの党の名前に「民」が付いているのも覚えにくさに拍車をかけている気がする。
「○○党や○○氏は行動に一貫性がなくて~」みたいなこと言ってる人をよく見かけるけど、それって何年も何十年にも渡ってその党や政治家を追いかけて何をやっているのか記憶しているわけで、そんな記憶力は俺は持ち合わせていない。
どんな政策を行えば社会がどうなるかなんて政治学者や経済学者が考えたって答えは出ていないわけで、そんなものをド素人の俺がわかるわけもない。
それでもまだ公約とか見ればとりあえずそれが直接的に自分の特になるものかどうかはわかるかもしれない。
でも「とりあえず俺が得するから」で投票先を決めるのは違う気がする。
例えばどこかの政治家が「当選したらすぐに貧乏人全員に100万円配ります」って公約を掲げれば、「俺は貧乏人だからこの人が当選したら100万円もらえて得するぞ」って思うけど、それは刹那的な得であって、本当に俺が得をするのかどうかがわからない。
その政策が日本の社会全体にどのような影響を与えるのか、それが回り回って俺にどのような影響を与えるのかまで見越さないと本当の俺にとっての得にならないわけで、どんな政策を取れば俺が得するのかなんて難しすぎてわかるわけない。
仮にその政策が確実に俺が得するものだと断定できたとしても、その特によって誰かが理不尽に不利益を被っていればその特は受け取りにくいし、でもそこのところの因果関係がどうなっているのかも俺にはわからない。
例えば失業率が上がったと聞いても、何が原因で失業率が上がったのか俺にはわからないし、その失業率の上昇が何を意味するのかもわからない。
失業率に限らず、出生率だの平均賃金だのでも万事その調子だから政治に対する意見なんて何もなくて、何が起きてもふーんそうなのとしか思わない。
仮に俺が失業したとしても、政策との因果関係なんて理解できないからさて次の仕事探すかとしか思わないだろう。
何が言いたいのかっていうと、投票に行け行け言う必要はあるんだろうかってこと。
社会人であれば投票して当然、投票しない人は社会人として失格、投票する人は上等で投票しない人は下等、みたいな空気を感じるんだけど、それがむず痒い。
政治に精通している人であればこの人に投票すると社会がこうなるからこの人に投票すべきと判断できるだろうから投票する意味はあると思う。
でも世の中はそんな判断ができる人ばかりじゃないだろう。
そういった政治がわからない人をせっついて投票させたところで、「あなたに100万円あげます」みたいな公約を掲げる人に投票するだけかもしれないし、それが社会にいいことだとは思えない。
そして俺は政治がわからない。だから投票しない。それが俺のできる限りの判断だ。